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  • 研究員 田原 真一
  • No.0341

「使っていて楽しめる」アイテム化する冷蔵庫

 静岡県は、大手家電メーカーの白物家電工場が多数進出しており、エアコンや冷蔵庫などの製品群において、全国でも有数の生産地となっている。
 冷蔵庫を中心とした白物家電市場は、普及率がほぼ100%に迫り、消費者の買い替え需要がメインとなっている。近年は、1996年の消費税値上げ前の駆け込み需要期から10年が過ぎ、買い替えサイクル期にあたることから、市場規模は2兆円程度を安定して確保している。これは、製品のライフサイクルが長く、価格よりも機能などを重視して選ぶ消費者が多いことが背景にあり、国内の大手家電メーカーは、高機能、多機能化による付加価値の高い製品を市場に投入し、多様な消費者のニーズをつかんでいる。例えば、冷蔵庫では、エコポイント制度による実質的な割引効果もあって、高価格でも401リットル以上収納できる大容量の機種の販売が好調である。

 大容量の機種でも、冷蔵庫自体の大きさは、従来のものと大きく変わらず、断熱材のスリム化や、コンプレッサーなどの部品の小型化などによって、収納量の拡大を実現している。景気低迷で、家で食事を取る人々が増える中、収納量の大きさは、大きな魅力だろう。
 また、冷蔵庫は元来消費電力が大きく、電気代の節約効果が大きいことから、大半のメーカーが省エネ性を最優先にアピールしている。最近では、生活パターンなどにあわせて運転を自動的に省エネ運転に切り替えたり、省エネ運転中であることをパネルに表示する機種など、より省エネ性を実感しやすいようなタイプのものも登場している。
 また、使いやすさも重要なポイントとなっている。例えば、ドアの開き方一つを取っても、観音開きができるフレンチタイプ、左右どちらからでも開く両開きタイプ、ボタンにタッチするだけで開くドアなど、様々なタイプがある。その他、野菜室にLED光源を取り入れ、野菜を収納しておくだけで、野菜のビタミンCを増やす機能、大きな氷から小さな氷まで、様々なタイプの氷が作れる製氷室など、ユニークな機能を備えた製品が揃っている。

 白物家電は、市場が成熟しているため、新たな技術や機能の進化が遅れているという批評をよく目にする。
 しかし、今まで見てきたように、冷蔵庫は単に食品を冷やす道具から、「省エネ」「利便性」「使い勝手」など消費者の求めるニーズに即した機能を進化させ、さらには使っていて楽しめるような機能なども兼ね備えたアイテムになっており、白物家電製品の技術や機能は格段に向上しているのではないか、と私は思う。
 家電製品の機能や特徴を熟知し、上手に紹介する「家電芸人」ではないが、家電製品の機能や特徴についての知識を深めていくとともに、さらに面白い技術や機能を備えた製品が登場することを期待したい。

投稿者:研究員 田原 真一|投稿日:2010年06月07日|コメントを書き込む

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