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大切にしたい、全国1位の防災意識の高さ

昨年、首都圏や関西圏、さらには長野県や山梨県で開催されたイベントに静岡県とともに参加し、本県が防災先進県であることをPRする機会を得た。イベントに出展した狙いの1つは、静岡県に対する地震・津波イメージの払拭と、これまでの防災対策を知ってもらうことにある。来場した企業関係者や家族連れ、学生、高齢者などさまざまな年代や職業の方々に、地震・津波対策を中心に静岡県の防災への取組みを説明した。
具体的な数字を提示するほうが理解してもらいやすいことから、木造住宅耐震補強工事への助成実績「20,657戸」が全国1位であることや、学校・幼稚園施設の耐震化率「99.6%」が全国2位であることなど、データを使って説明した。
なかでも、来場者が最も興味関心を持った数字が、各県でも実施されている震災総合訓練の県民参加率「31.8%」である。防災訓練に参加するのが習慣になっている静岡県民からみれば、決して高い数字ではないと感じるかもしれないが、全国平均の4.0%からみれば、際立って高いレベルである。
実際、来場者からは、「自分の住んでいる地域では地震があまり起こらないので、防災訓練があっても参加しない」などの声が多く聞かれた。そもそも、生活の中に防災訓練が根づいていないようであった。
静岡県民や県内企業の地震・津波対策に対する意識の高さは、昭和50年代前半の東海地震対策から始まった長年の取組みの成果と言える。小・中学校時代の防災訓練の経験は、大人になっても忘れない。
ちなみに、平成28 年の「社会基本生活調査」(総務省)によれば、静岡県民がボランティア活動で「安全な生活のための活動」を行う割合は、「8.9%」で全国1位である(全国平均5.0%)。同活動には、防災だけでなく防犯や交通安全運動なども含まれるが、防災意識の高さが数字を押し上げている要因であることは想像に難くない。
こうした防災に対する意識の高さは、企業の事業活動にも影響を与える。最近は、集中豪雨や大型台風の襲来により、河川の氾濫や土砂崩れが発生するケースが増えている。これまで静岡県内では他県と比較して大きな被害事例は少ないものの、今後は対応を迫られる可能性が高い。こうした中、一級河川の近隣に立地する企業を対象に、河川を管理する国の機関のスタッフを講師として招き、洪水対策をテーマとして説明会を開催した経済団体もある。しかも、多くの人が大雨に対する危機意識を持つようになった現在の3年前に開催されていた。
防潮堤や耐震補強工事などのハード整備とは異なり、"防災に対する意識の高さ"は、目に見えるものではない。そのため、なかなか成果を実感し難いが、命を守る上では最も重要である。静岡県に住んでいる"良さ"を認識し、さらに伸ばしていくことが大切である。

投稿者:主席研究員 玉置 実|投稿日:2018年10月01日|

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