羅針盤

ホーム > 羅針盤 > 調査グループ長 森下泰由紀 > アフターコロナを展望する

  • 調査グループ長 森下泰由紀
  • No.99

アフターコロナを展望する

新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るい、未だその勢いは止まらない。人の行動や人との接触が制限され、営業活動を強制的に自粛させるという前例のない事態に、経済も深刻な影響を受けており、"戦後最大"、"リーマン超え"など、センセーショナルな言葉が躍っている。
こうした中、コロナ禍に関する緊急アンケート調査を担当する機会を得た。3月下旬から4月上旬にかけて実施したこの調査では、4-6月の各社の売上高が平均で△2割以上減少し、同時期の静岡県GDPの予測値は、まさにリーマン超えとなる△17.8%と、想定していた以上にショッキングな結果となった。
一方で、コロナ禍におけるICTの活用や働き方の見直しについては、3-4割の企業が、テレビ会議の活用や、AI、IoTによる省力化、テレワークやフレックスタイムの導入を検討するなど、いわゆる"アフターコロナ"を見据えた動きも一部に見られた。当研究所の会議でもよく議論となるビフォーコロナとアフターコロナ。コロナ禍における行動変容によって、生活様式や経済環境が大きく変わるのではないか。自宅に居ながらショッピングを楽しみ、オフィスに行くことなく業務をこなす、営業も飲み会も、病気の診療や学校の授業さえもネットを通じて行う。すべてとは言わないが、こうしたことへの抵抗感が薄まることは必至だろう。それによって、顧客との接点はもちろん、従業員の働くことへの意義・意欲にも変化が生じ、経営の舵取りにも、新たな発想が求められるとともに、これまでの常識が通用しない異なる領域に入ることも予想される。
その1つの解が、やはりデジタル技術ではないだろうか。コロナ禍における生活スタイルのキーワードは"リモート"や"非対面"であり、離れた人と意思疎通を図るために、デジタル技術は親和性が高い。もともと企業では、AIやIoTなどを活用してビジネスを変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に注目が集まっており、国も、こうした先端技術によって社会的な課題を解決する「Society5.0」を提唱している。コロナ禍によってその重要性が再認識され、サプライチェーンの中で、あるいは消費者やユーザーに対応するため、そして従業員同士のコミュニケーションツールとして、一気に広まる可能性が高い。
また、コロナ禍でも感染防止策を検討するために注目されている"ビッグデータ"を、ビジネスに生かす視点も必要だろう。対消費者、対取引先、従業員同士、機械と機械など、日々膨大な量のデータが企業内に蓄積されるが、こうしたデータをAIやRPA等を活用しながら、収益確保や生産性の向上などにつなげる工夫と仕組みが求められよう。
まだアフターコロナを考える時期ではないかもしれない。ただ、渦中においても、終息後の経済的な回復の道筋を、冷静かつ客観的に展望しておきたい。

投稿者:調査グループ長 森下泰由紀|投稿日:2020年12月07日|

ページの先頭へ

入会お申し込み・資料請求について 入会および維持会員への切り換えなどに関するご照会・お問い合せは、総務部会員担当までご連絡ください。
また、入会資料の送付をご希望される方は、入会お申し込み・資料請求フォームよりお申し込みください。電話番号 054-250-8750 E-mail info@po.seri.or.jp 受付時間 9:00から17:00 祝日 土・日・祝除く入会お申し込み資料請求フォーム