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研究員 勝見政律 のコラム

  • 研究員 勝見政律
  • No.0365

姿を消した野球中継

 プロ野球のテレビ中継(地上波)が、夕食の時間帯から姿を消して久しい。少年時代から野球に携わり、野球観戦が好きな私にとっては、寂しい限りである。少年時代の私は、野球だけではなく、背が高いということからミニバスケットボールや少林寺拳法を習っており、典型的なスポーツ少年であった(髪型も年中スポーツ刈りであった)。その中で、最も長続きしたのが野球であり、野球を始めたきっかけも、この野球中継にある。
 当時の我が家の夕食時には、父が野球好きだということもあり、必ずと言って良いほどプロ野球中継が流れていた。そのため、私も何の抵抗も無くテレビで野球観戦を楽しみ、野球の楽しさを覚えていった。当時、プロ野球中継といえば巨人戦が多く、私はいつの間にか巨人ファンになっていた。
 ある時、県営草薙球場でプロ野球が開催されることを知り、父に見に行きたいとねだった。父は仕事が忙しかったにもかかわらず、快諾してくれた。対戦カードは大洋対中日。巨人ファンの私は多少残念ではあったものの、いつもテレビでしか見たことの無いプロ野球を、間近で見られることに興奮していたことを昨日のように覚えている。
 試合当日、胸を躍らせながら草薙球場に到着した。スタンドに入ると、選手が試合前の練習を行っていた。行く前は野球グッズやお弁当を購入し、座席でゆっくり食べようと思っていたが、それどころではない。軽快な動きをする選手の一挙手一投足を見逃すまいと、選手に見入っていた。試合が始まり、当時の大洋のエースピッチャーであった大門の剛速球が中日の選手から三振を奪うと同時に、周囲の観客の声援が上がる。父と私が座った席は、大洋側の応援席だったのだ。私は、球場に来たのが初めてだったため、ファンが一塁側と三塁側に分かれて座ることを知らなかった。盛り上がる大洋ファンにつられて、私も大洋を思い切り応援した。大洋に得点が入ると、皆で盛り上がる。とても楽しかった。単純ではあるが、それ以来私は大洋ファンになった。これがきっかけで、私は野球を始めた。
 高校生になると野球観戦から一時離れたが、関東の大学に入学した私は、野球好きの先輩や友人と共に頻繁に球場へ足を運んだ。当時、在京のプロ野球チームはセ・パ両リーグ合わせて5球団あり、様々な球場に出掛けた。少年時代に憧れた大洋ホエールズは、横浜ベイスターズとその名前を変えたが、相変わらずファンであった。社会人になった今でも、年に数回は球場へ足を運んでいる。球場へ着くと、少年時代のあの興奮がいつも蘇ってくる。私にとって球場は、いつも新鮮な気持ちになれる場所なのである。 
 現在のプロ野球は、セントラルリーグとパシフィックリーグが交流戦を行ったり、各リーグ上位3位までのチームが日本シリーズ出場権を争うクライマックスシリーズなど、イベントが充実している。にもかかわらず、地上波での野球中継はほとんど行われていない。
 昨今、野球だけでなくサッカーやバスケット、バレーなどさまざまなプロスポーツがあるが、私のように、毎日スポーツ観戦を楽しむ少年は少ないだろう。少年時代の私がそうであったように、少年を虜にするスポーツ中継が、誰でも気軽に楽しめる地上波で行われ、一つのスポーツに夢中になれる少年が増えることを期待している。

投稿者:研究員 勝見政律|投稿日:2011年06月22日|コメントを書き込む

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