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  • 主席研究員 鈴木宏和
  • No.67

長距離バスの魅力

 4月4日、新宿駅の隣に巨大バスターミナル「バスタ新宿」がオープンした。周辺約20カ所に分散していた長距離バスの停留所を集約し、青森から福岡までの38府県との路線や成田・羽田空港行きなど1日1,600便もの発着を捌さばく。乗降客世界一の鉄道ターミナル駅である新宿駅と繋がることで、長距離バス相互に加え、バスと鉄道の乗り継ぎの利便性が一気に高まったといえる。
 国交省の資料によると、「高速乗合バス(50km以上の路線の半分以上で高速道路を利用して運行する乗合バス)」の輸送人員は、平成25年度に1億986万人で平成元年の2.2倍。リーマン・ショック後の景気後退下に数年低迷したが、再び増加に転じている。ちなみに本県発着は、新宿以外に、渋谷、八重洲、横浜、甲府、名古屋、中部国際空港、京都、大阪などとの間で定期路線がある。
 東京では、バスタ新宿に続くバスターミナルとして、平成30年度に渋谷駅西口、33年度には東京駅八重洲口にも建設が計画されている。利用者の伸びに対応して、長距離バスの受入体制は一段と拡充の方向にある。
 長距離バスの魅力は、なんといっても料金が安いことである。静岡-東京の新幹線1人分の料金で、静岡-新宿のバスなら2人が利用できてお釣りがくる。もっとも所要時間は、「ひかり」の約3倍を要し、渋滞等による遅延も覚悟しなくてはならない。したがって、ビジネスユースは新幹線が一般的であるが、プライベートにおいてはケースバイケースで、バスもしっかりと利用者のニーズを掴んでいる。
 バスはエコノミー性だけでなく、路線設定の自由度が高いこと、空港や大型のレジャー施設に直接乗り入れられることも大きな特長だ。乗り換えの手間が少なく、マイカーやタクシーほどではないが、ドアツードアに近い便利さは、子供連れや大きな手荷物を携行する旅行者、高齢者には有り難い。
 そうは言っても、半日も乗車するとなると、さすがに億劫だが、ここで本県の立地が生きることになる。新東名は愛知県内区間が開通し、圏央道は今年度中に常磐道、東関東道までつながる。来年度には中部横断道も中央道以南が開通する予定である。周辺の高速道路網は格段に充実しつつあり、首都圏、中京圏、関西圏という3大経済圏はもちろん、信越、北陸、南東北等へ、バスが選択肢に成り得るエリアが広がっていく。
 長距離バス需要の底堅さは、その交通手段としての魅力はもちろん、本県の立地上のアドバンテージを再認識させてもくれる。ぜひとも、観光客誘致などで、その可能性を十二分に引き出していきたいものである。

投稿者:主席研究員 鈴木宏和|投稿日:2016年07月01日|

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