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- 研究員 森晃昌
- No.0322
相次ぐ大型トレーラーの横転事故
最近、大型トレーラーの横転事故のニュースをよく耳にするようになった。記憶に新しいのが、昨年8月に首都高速5号下り線で発生した大型トレーラーの横転事故である。この時には幸い死者は出なかったが、満載していた燃料に引火して火災が発生、全面復旧までに2カ月以上を要するほどの大事故となった。また、今年2月には同じ箇所の上り線で大型トレーラーの横転事故が発生している。さらに、3月には首都高速4号線で、5月には首都高速湾岸線や名古屋の環状線で、9月にはまたも首都高速で大型トレーラーが横転する事故が発生した。名古屋の事故では横を走っていた乗用車がコンテナの下敷きとなり、乗っていた方が亡くなっている。そのほか、横転までには至っていないが、大型トレーラーが関連する事故は多数発生している。
事故の多くがカーブ付近で発生していることから、速度超過やハンドル操作ミスといった運転手側の過失もあるが、原因は別のところにもあるようだ。
まずは、トレーラーの特性。トレーラーは、車が荷台と一体になっているトラックと異なり、運転手の乗るトラクターがコンテナを載せた台車を引っ張る構造のため、荷台の動きが分かりづらい。また、背の高いコンテナを積んだトレーラーは、トラックよりも重心が高くなり倒れやすい。
次に、制度上の問題。トレーラーが積んでいる国際海上コンテナと呼ばれるコンテナは、荷物が片側に寄って積まれた状態、いわゆる片荷の状態やコンテナ内で荷崩れが起きるなどの異常に運転手が気づいても、無断でコンテナを開けて中の荷物を確認することができない。このため、荷物の内容や形状などが分からないまま、不安定な状態で運転することになり事故につながる。反対に、荷物の積み付け状況(荷物がコンテナ内でどのように積まれているか)や総重量、危険物の有無、種類などの情報が運転手に正確に伝わっていれば防げた事故もあるとさえいわれている。
平成17年12月、国土交通省は「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン」を策定、国際海上コンテナを安全に陸上輸送するために港湾運送事業者、トラック事業者などが取り組むべき具体的な措置を示した。しかし、強制力はないため前述の通りその後も重大事故が相次いで発生している。
民主党は政権交代前、コンテナ輸送の安全確保のため「国際貨物コンテナ運送における輸送の安全確保に関する法律案」(国際コンテナ運送法案)の成立を目指していたが、現在は中断されている。ETC割引効果もあり、普段高速道路を利用しないようなサンデードライバーをはじめ高速道路の利用者数は増加している。高速無料化の議論の前に、まずは人々が安心して利用できる高速道路となるような仕組みづくりが求められる。
投稿者:研究員 森晃昌|投稿日:2009年10月23日|コメントを書き込む
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