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  • 研究員 大石彰男
  • No.335

屋外の定番イベントとなったロックフェスティバル

近年、夏を中心に、野外でのロックフェスティバル(以下、ロックフェス)が全国各地で盛んに行われるようになってきた。ロックフェスとは、主に野外で行われるロック系のミュージシャンが複数出演する音楽イベントとのことで、大規模なものになると、2?3日連続で開催され、総入場者数が10万人を超える。ぴあ総研の調査によると、ロックフェスの動員数は、平成12年には36万人だったものが平成20年には150万人を超える規模に達し、市場規模も音楽コンサート市場(1,503億円)の1割程度を占める規模に達しているという。今年も、春から初秋にかけて、ざっとみただけで全国で50本近いロックフェスが開催され、静岡県内では、つま恋で「ap bank fes ’10」、富士スピードウェイで「JAPAN JAM 2010」などが行われる。
 ロックフェスには様々な形態があるが、開催される場所という点で分けると、野球場やサッカー場などを利用して大都市の街中で行われる「都市型」と、地方の自然公園や広大な空き地を利用する「地方型」の2タイプに分かれる。このうち、地方型では、近年のロックフェス人気を見込んで、地域を活性化させたい県や市などの自治体が積極的にロックフェスを誘致しているところも多い。
今年で11回目を迎える「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、第1回から茨城県のひたちなか市の国営ひたち海浜公園で開催されている。当時、ひたちなか市は、隣接する東海村の原発事故の影響もあって観光客が減少していた。そこで、観光客を取り戻し、地域を活性化したいとの思いから、積極的にロックフェスを誘致したとのことであり、その後も市をあげてロックフェスの開催に取り組み続けている。
私も、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」には、第1回から何回も参加しているが、当地に向かうと、街全体が開催に協力していることを肌で実感する。ロックフェスの開催中、市内や近隣市町の宿泊施設だけでは宿泊能力が足りなくなるため、自治体が会場周辺にテントスペースを設けたり、民間施設が臨時の宿泊場所を提供していた。また、会場内の飲食ブースには、市内の業者が数多くの店舗を出店しており、軽食のほか、地元の特産品などを扱っている。なかでも、ひたちなか市民の有志による「みなと屋」は、地元の海産物や野菜などを安く提供していて、一番人気である。実際、私も、地ビールや名物の五浦ハムの串焼きを目当てに並んでいたが、いつも行列が絶えることはなかった。
活況を呈しているロックフェスであるが、“ロックフェスバブル”と揶揄されているように、すべてのロックフェスが成功に至っているわけではない。ロックフェスが7?8月に多数開催されるようになったことで観客が分散化し、チケットの売れ行きが芳しくないところも出ている。地方で開催されるロックフェスのなかには、毎年継続して開催することができないものも多い。ロックフェスをその地域に定着させ、安定した動員を得るためには、出演アーティストのラインアップを充実させるだけでなく、地域全体でロックフェスを迎え入れて盛り上げる体制づくりが必要であるように思う。

投稿者:研究員 大石彰男|投稿日:2010年03月29日|コメントを書き込む

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