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- 研究員 大石彰男
- No.0360
大震災の発生であらためて再確認される地域建設事業者の重要性
東日本大震災の発生から2カ月が経過した。いまだに被害の全容が把握できないなど、まさに未曾有の大災害となってしまったが、震災の発生で、あらためて、地域における建設事業者の重要性・必要性が再確認される機会になった。
今回の震災で、被災地の建設事業者は、自身が被災者となったにも関わらず、人命救助や復旧作業にいち早く動き出し、現在も、復興に向けて懸命の作業を行っている。また、被災地以外の建設業者も、人材や機材の提供を惜しまず、復旧に向けて最大限の協力体制を敷いており、全国の建設業者が一丸となって、今回の危機を乗り越えようとしているのである。
これまで、建設業界には向かい風が強まっていた。2年前の衆議院選挙で、「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げる民主党政権が大勝したことで、縮小傾向が続いていた公共工事への予算は、さらに大幅に削減され、民間工事もリーマン・ショック以降、大きく落ち込んだままの状態が続いている。この間、疲弊した建設事業者の倒産が相次いだ。もし、大震災など自然災害が発生した際に、その地域に建設事業者がいない、などといった事態が起こったとしたら、その地域の復旧は誰が担っていくのだろうか。
静岡県でも、承知の通り、M8程度と想定される東海地震は、30年以内の発生確率が87%であり、今すぐに起きても不思議ではない状況となっている。また、もし、東南海・南海地震と連動で地震が発生するようなことになれば、東日本大震災並みの規模の地震や津波が起きる可能性もなくはない。さらに、最近では、大規模な水害が毎年のように発生しており、昨年は、静岡県内でも小山町が甚大な被害に見舞われている。
このようなことからも、地域に根ざした建設事業者の存在は非常に重要である。
もちろん、公共工事の予算については、これまで疑問の声が大きかった、いわゆる“ハコモノ”的な公共事業は見直されるべきである。また、建設事業者は、生産性の向上や徹底したコスト管理など、自社の収益を計上するために最大限の自助努力が必要である。今後は、新しい建物を作るだけではなく、災害に強い国土づくりを目指すためにも、建物の耐震化や施設の維持・補修といった分野に予算を重視し、建設事業者もそこで力を発揮していくことが求められよう。特に日本では、コンクリートや鉄で作られた施設、例えば、橋梁やトンネルといったものの中には、高度成長期に建設されて長期間経過したものが多く、その機能性を維持する必要性に迫られている。地域に密着し、地域の守り手となることが、これから求められる建設事業者のあるべき姿であるように思う。
投稿者:研究員 大石彰男|投稿日:2011年05月20日|コメントを書き込む
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