研究員 田中克明 のコラム
- 研究員 田中克明
- No.0323
「朝」を制するものはビジネスを制す!?~「朝活」を考える~
最近、「就活」、「婚活」に加えて、「朝活(あさかつ)」というフレーズを耳にするようになった。
「朝活」とは、ビジネスパーソンなどが、勉強や運動、さらに朝食会を兼ねた異業種交流会や勉強会などの活動を朝の出勤前の時間を活用して行うことをいう。
「朝活」が広まった背景として、第一には昨今の健康ブームの影響があると思われるが、「人生を変える朝活!」(青志社)の著者、常見陽平氏は、経済不況をはじめとするネガティブな社会のムードに対し、「こんな時代だからこそ人生を楽しもう」、「徹底的に自分磨きをしよう」というポジティブな反発が「朝活」に繋がっているのではないかと述べている。
同氏によると、早朝営業の英会話スクールやフィットネスクラブ、喫茶店など「朝活」の受け皿も増えているとのことである。今年4月には、東京・丸の内で、平日の朝7時30分から授業を行う市民講座「丸の内朝大学」が開講するなど、「朝活」市場はますます拡大している。
ところで、「東大・京大で1番読まれた本」というキャッチコピーで、1986年に文庫本化された外山滋比呂お茶の水女子大名誉教授の「思考の整理学」(ちくま文庫)がベストセラーとなり話題を集めている。本書には、「朝飯前」というタイトルの章があるが、ここに現代の「朝活」について述べているかのような内容が書かれている。「朝飯前」は、「朝食前にもできるほど、簡単だ」というのが一般的な意味である。しかし、同教授は、「起床後の空腹の状態は頭が冴えており、困難な物事でも、朝食前に行えば簡単に片付けることができる。その光景を端から見ると、いかにも簡単そうであることから、「朝飯前」と言われているのではないだろうか」という趣旨の持論を展開し、20年以上前から「朝飯前」の「朝活」を提唱している。
周知のとおり「早起きは三文の徳」ということわざもある。その起源は、一説には「奈良では家の前で鹿が死んでいると三文の罰金を科せられるので、早起きをして他へ移動させる」というエピソードに由来していると言われている。
「早起き」の効用は、「朝活」となって現代のビジネスパーソンに受け継がれ、積極的な「自分磨き」に発展しているようである。
私は、出勤前に静岡市内のあるカフェで朝食を済ましているのだが、毎週決まった曜日に、「朝食会」と銘打った集まりを開催しているグループを見かける。年齢、性別などはさまざまであり、どのようなバックボーンを持った方たちの集まりなのかは見当がつかないが、ここ静岡県にも確実に「朝活」の波が打ち寄せているようである。
投稿者:研究員 田中克明|投稿日:2009年10月29日|コメントを読む(2)|コメントを書き込む













