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  • 研究員 石田進吾
  • No.0324

2009年の東京モーターショーからみえる理想社会の姿

 千葉市の幕張メッセで開催されている「東京モーターショー2009」を視察してきた。出展企業は欧米勢の出展辞退が相次ぎ、前回に比べて半分以下に減少した。来場者も100万人に届かない見通しであるなど、全体的にやや活気が足りない印象を持ったが、ショー全体としては、“クルマを楽しむ、地球を楽しむ”というテーマの通り、環境を志向するというスタンスが明確になっており、魅力溢れるハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などが、光・音・映像を駆使してPRされていた。

 さて、今回私はEVに焦点をあてて、各自動車メーカーを視察したが、その中で日産自動車が提案していた「電気自動車のある風景」が印象深かったので紹介する。これは、ゼロ・エミッション車(二酸化炭素をはじめとした排出ガス、騒音、ガソリンなどが“ゼロ”の車)が創造する新しいモビリティライフスタイルの提案である。例えば、市街地の至るところにある駐車場や家庭の駐車場で、EVの充電(いわゆる燃料補給)ができ、その電力はビルの屋上を利用した太陽光発電や、海岸において風力発電を利用する。こうすることで、化石燃料を一切使わない究極の環境社会が実現するというものである。また、EVの利用を促進するために、幹線道路にEV専用レーンを設置するなど環境に配慮する人を優遇していることも特徴的であった。

 「電気自動車のある風景」は、消費するエネルギーを太陽光や風力などの再生可能エネルギーで作り出すというまさに理想的な社会であるが、現実には課題が多いと思われる。自動車技術のさらなる進歩もさることながら、道路や充電設備などインフラ側の整備が不可欠となるからである。そのためには、自治体など行政の協力がカギとなり、実際、既に日産自動車では、いくつかの自治体と、具体化に向けて話を進めているとのことであった。

 今世紀中には石油が枯渇するともいわれており、また、中国やインドなど新興国の石油消費量の増大とあわせて、石油に依存した社会からの脱却は急務である。こうした中、日産自動車が提案するライフスタイルは、環境と調和した社会をイメージさせる。
 “自らが消費するエネルギーを自らが作り出す社会”とはどんな社会であるか?東京モーターショーを通して少しイメージできた気がする。

20091105.jpg
「電気自動車のある風景」

投稿者:研究員 石田進吾|投稿日:2009年11月05日|コメントを書き込む

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