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- 研究員 高橋晴美
- No.0285
サントリー武蔵野ビール工場を訪れて
先日、リニューアルしたサントリーの武蔵野ビール工場(東京都府中市矢崎町)を訪れる機会があり、工場見学と「ザ・プレミアム・モルツ講座」(あわせて90分コース)に参加してきた。当工場は、東京都内で唯一ビールの製造工程が見学できる(試飲もできる)とあって人気のスポットとなっており、筆者が訪問した日も予約でいっぱいであった。
ところで、サントリーと聞くとまず思い浮かぶのが“ウイスキー”や“烏龍茶”という人は多いだろう。ビールといえば、キリンやアサヒ、サッポロといった強豪がひしめき合っており、常に厳しいシェア争いが繰り広げられている。こうした激戦市場にあって「ザ・プレミアム・モルツ」は、サントリーが10年以上もの歳月を費やして作られたビールで、2005年のモンドセレクションビール部門で日本初の「最高金賞」を受賞。以後3年連続で最高金賞を受賞しており、まさにプレミアムの名にふさわしいビールといえる。
話を元に戻すと、当日の講座は、1.こだわり講義、2.工場見学、最後に3.試飲の体験が楽しめるという流れで、参加者の誰もが楽しめるコースとなっていた。特に印象深かったのは1のこだわり講義で、素材への強いこだわりや開発者や技師たちの開発秘話には感銘を受けた。
まず素材へのこだわりであるが、深いコクとうまみを実現させるために厳選された麦芽。これは実際に試食ができ、噛むと口の中でほのかな甘味があった。次に、良質な苦味と香り、泡を引き立たせるための欧州産アロマホップ。そして、麦芽の旨みを引き出す丹沢水系を水源とした天然水。どれもあくなき追求のうえの厳選された素材であり、同社の「世界最高峰のビールを作りたい」という目標にかける熱い想いが伝わってきた。
そして、何よりも長い年月をかけてこの素材に魂を吹き込み、真の味を作り出すことができたのは、開発者や技師たちの強い信念や情熱があったからこそであると筆者は思う。開発者の一人がおっしゃっていた。「どんなに良質な素材や原料を使っても、いろいろな統計を分析して味を割り出しても、最後の決め手は人間の五感である。だから他社には真似ができないのだ」と。
一つの目標に向かって研究を積み重ね、「もっとおいしく、もっとおいしく」と理想の味を追求する職人魂?しばし忘れかけていた夢に向かって一生懸命ひたむきに取り組むことの素晴らしさを感じた。
これまでビールの味には疎い筆者であったが、こうした感動話を聞いて少し見方が変わったように思う。ちなみに、あるインターネットの「一度は見学してみたいと思う工場ランキング」投票によれば、上位にはビール工場のほか、菓子工場や自動車工場などが名を連ねている。最近ではCSRの一環として積極的に取り組んでいる企業も見受けられ、本県でも伝統産業や農林水産業関係などが受け入れを実施している。
ビールに限らず、モノづくりに関する誕生の秘話を知ると理解や見識が深まるものである。入場料もたいていの場合は無料であり(予約が必要なところもある)、時間があれば社会見学的な気持ちで是非足を運んでみてはいかがだろう。
投稿者:研究員 高橋晴美|投稿日:2008年10月29日|コメントを書き込む
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