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  • 研究員 高橋晴美
  • No.0318

時代を駆け抜けた女性経営者ココ・シャネル

 世界で最も有名なブランドのひとつ「シャネル」。昨年は創業者ココ・シャネル(1883?1971)の誕生125年目であり、来年2010年はシャネル創業100周年ということもあってか、今年は彼女にちなんだ映画作品が立て続けに公開されている(『ココ・アヴァン・シャネル』、『ココ・シャネル』、『シャネル&ストラヴィンスキー』など)。私も先週、作品のひとつを鑑賞した。

 シャネルは、1910年、パリに小さな帽子店を創業することから始まった。大戦中は店を一時閉鎖したこともあったようだが、戦後カムバックした後、1950年代には米国をはじめ世界中で人気となり、瞬く間にファッション界の頂点に上りつめた。
 彼女は、服やバック、香水、アクセサリーなどに関して、それまでの古い価値観を打ち破り、いくつもの新風を起こしたが、生涯を通じての功績は「女性の新しいライフスタイルを提供し続けた」ことといえるだろう。20世紀初頭は、まだコルセットでウエストをきつく締め、飾りたてたゴージャスな服がもてはやされた時代。こうしたスタイルを否定し、機能的かつ実用的でシンプル、派手な羽や花飾りを取り除いた「無の贅沢」を追求し続けた。

 映画の中では、実際に本人デザインのドレスやスーツが何着も披露されているが、今見ても時代遅れを感じさせることがまったくない。まさに彼女が言った通り「流行は色褪せるが、スタイルは不変」である。一方、その美貌、華麗なる人脈、波乱万丈な生き方、カリスマ性にはどこか惹かれるところがあり、「シャネルの魅力はシャネル自身」という言葉に表現されるように、今でも人気のあるブランドであることがとてもよく理解できる。

 フランスの老舗ブランドといえば、たいてい“王室御用達”とか貴族が顧客といった後ろ盾があるものが多い中、シャネルはそうした拠りどころを持たず、しかも女性が働くことが稀だった時代に、一人で店を起こし、最後にはとうとう自分のブランドを一代で築き上げた。その独立心、信念の強さは計り知れない。「かけがえのない人間となるためには、いつも他とは違っていなければならない。」反骨精神の強かったシャネルらしい言葉であるが、なぜかこの言葉の裏側には、デザイナーとして経営者として時代を駆け抜けた一人の女性の孤独のようなものも感じる。

 最後に、シャネル語録より「自分が大物になろうと思うのではなく、こんな人になりたいと決めると、多くの心配事はなくなる。」「20歳の顔は自然の贈り物、50歳の顔はあなたの功績」。はたして自分が50歳になったとき・・・どのような顔になっているのだろうか。夢や目標を持ち続け、それに向かってひたむきに生きることの大切さを改めて感じた次第である。

投稿者:研究員 高橋晴美|投稿日:2009年10月05日|コメントを書き込む

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