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専務理事 中嶋壽志 のコラム

  • 専務理事 中嶋壽志
  • No.44

覚醒せよメイド・イン・ジャパン

 今、日本のモノづくりが大変だ。平成19年に337兆円あった製造品出荷額は、平成24年には284兆円と50兆円以上も減少している。静岡県でも同期間に、19.4兆円から15.5兆円へと約4兆円も減ってしまった。減少率で言えば静岡県は△20%で、全国の△15%を上回る。全国でも有数のモノづくり県といわれる静岡県であるが、その苦境が伺えよう。


 製造品出荷額減少の最大の要因は、グローバル化だ。グローバル競争に晒され、競争力が低下したエレクトロニクス産業。テレビ、スマホ、タブレット端末など、競争力低下には目を覆いたくなる。白物家電でも、海外メーカーの勢いが目立つ。掃除機のダイソンやルンバ、電気ポットのティファール、2013年の日経トレンディのヒット商品ベスト10に入った家電製品は、韓国製の布団専用掃除機レイコップと、フィリップス製のノンオイルフライヤーだ。明らかに、日本の家電メーカーからヒットが生まれにくくなり、海外メーカーが日本市場で幅をきかせている。

 一方、日本の自動車産業は依然強い国際競争力を維持している。しかし海外現地生産の急進展で、国内生産は減少傾向が続いている。まさに、電機産業、自動車産業という我が国のリーディング産業において、生産構造や国際競争力などで大きな構造変化が起こっており、こうした動きに伴って、今日本のモノづくりが大きな壁に直面しているといえよう。


 しかし、メイド・イン・ジャパン(MIJ)への信頼は、海外では今でも決して揺らいでいない。中国などでも、高くてもMIJ製品を欲する人は多いという。しかし、本家である日本人がMIJにどれだけ拘りを持っているだろうか。すでに我々の身の回りで、MIJを見つけ出すことは容易ではない。日用雑貨、衣料などではまず見つからない。デジカメ、テレビなどのエレクトロニクス製品では、日本製でも、多くが海外で作られている。自動車ですら完全逆輸入車も登場している。


 このような中で、いつしか日本人自身がMIJへの拘りを失くしかけていないだろうか。しかし、こうした状況が続けば、やがては海外でのMIJへの高評価も色褪せてしまいかねない。MIJを育てたのは、ほかでもない世界一厳しいと言われる日本の消費者の存在であったはずである。とすれば、日本人自身が、もう一度MIJを再評価すると同時に厳しい目を向けることが、MIJを育てることにつながる。そしてそれは日本のモノづくりの復活、輸出の増加にもつながるはずだ。高品質、高信頼性、安全、安心などすべてを備えたMIJ。"覚醒せよメイド・イン・ジャパン"である。

投稿者:専務理事 中嶋壽志|投稿日:2014年03月31日|

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