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- 専務理事 中嶋壽志
- No.0254
2008年はMouseならぬHouse
2008年の干支は子=Mouseである。だが、2008年の日本経済を占う上でのキーワードは、MouseならぬHouseということになるのではないだろうか。2007年に入っても堅調な世界経済に牽引され、日本経済は戦後最長の好景気「いざなぎ景気」の景気拡大期間を更新し続けてきた。しかし、後半になるとその流れにも変調の兆しが現れるようになった。米国のサブプライムローン問題の拡散、建築基準法改正に伴う住宅建設の減速が起こったからである。
まず、サブプライムローン問題であるが、リスクを分散するための住宅ローン債権の証券化という手法が、皮肉にもその存在を地下に潜らせ、見えないことが不安を煽るという悪循環を招いている。夏場以降、繰り返し問題視され、その度に世界の株式市場を混乱させているのも、一体サブプライムローンの焦げ付きはいくらになるのか、そしてその被害を誰が被るのかが見えないことに最大の原因があると思われる。今、世界の金融市場はあたかも地雷原であるかの様相を呈してしまった。サブプライムローン問題の本質は米国での住宅価格の下落にある。その結果、プライムローンへの借り換えができず、加えて当初の低金利期間が終了したことで返済額が跳ね上がり、デフォルトが急増する事態を招くこととなったわけである。サブプライムローン問題がさらに深刻化するか否かは、住宅価格が下げ止まるか否かにかかっているとも言えよう。
一方、日本国内でも住宅問題が景気の足を引っ張り始めている。建築基準法が改正されて建築確認許可に時間がかかるようになったために、住宅着工戸数が大幅に減少しているからである。新築住宅の動向は、当然個人消費にも影響する。住宅が新築されれば、家具や家電製品などの消費を誘発する。住宅建設の低迷が長引けば、そのマイナスの影響が個人消費にも飛び火しかねない。
このようにみると、2008年のわが国の景気動向は、2つのHouse(住宅)問題が鍵を握っているといっても過言ではない。米国の住宅市場の動向次第が、今後のサブプライムローン問題を収束させもするし深刻化させもする。後者の場合は、その影響が米国実体経済にも及び、世界経済の牽引役の座を降りるようなことになれば、これまでの日本の外需依存による景気回復メカニズムが根底から覆ってしまう。今のところ各調査機関の2008年の経済予測をみると、サブプライムローン問題も落ち着き、国内の住宅建設も回復に向かうと予測しているところが多く、景気は減速しても後退することはないだろうという見方が支配的である。はたして各調査機関の予測通りになるのか、日米のHouse(住宅)動向からしばらく目が離せない。
投稿者:専務理事 中嶋壽志|投稿日:2007年12月20日|
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