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- 専務理事 中嶋壽志
- No.0027
頑張れ! 中小企業
バブル崩壊を契機にした景気低迷も、すでに10年以上におよんでいる。これほど長期間にわたる経済の停滞は、もちろん終戦以降経験はなく、日本経済が味わう初めての挫折といっても過言ではない。それを如実に物語っているのが、企業決算であり、電機、金融、商社、ゼネコン、流通など各分野の日本を代表するような大企業が相次いで大幅な赤字に陥り、リストラを余儀なくされている。
しかし一方で、こうした厳しい経済環境にもかかわらず、過去最高益をあげている企業が存在することも見逃してはならない。トヨタはなんと1兆円を越える営業利益をあげたし、ホンダも絶好調である。IT不況で、全滅の感があるハイテク分野にあっても、キャノン、リコーといった事務機器を供給するメーカーは、やはり過去最高益をあげている。こうした大企業だけでなく、中小企業の中にも、過去最高益をあげているところが、数多く存在するはずである。ただ、そうした企業ほど、口を閉ざしていることが多く、その結果、不振企業の「大変だ」の大合唱ばかりが、より強く響きがちになる。
確かに、景気の低迷が、多くの企業の経営環境を悪化させていることを否定しない。だからといって、業績が悪い理由をすべて景気のせいにするのは、経営不在を宣伝するようなものである。この厳しい環境下でも業績を向上させている企業は確実に存在する。むしろ、経済環境の激変期や景気の悪い時ほど、業績の良い企業と悪い企業を鮮明にするといったほうがいいだろう。一般的に、好景気の時にはマーケットが拡大しており、経営力の劣る企業でもそれなりの利益をあげることができた。しかし、現在のような経済の変革期、経済の長期停滞期には、経営力に勝る一握りの企業だけが、勝者となり利益を手にする。そして、この競争では企業規模の大きさや過去の成功体験が決して有利な条件とはならない。実際、株式公開企業や老舗企業でこのところ経営破綻が相次いでいることがそれを如実に物語っている。まさしく、規模の大小、業歴の長短に関係なく、単にマネジメントの優劣が勝敗を左右する公平な競争である。
では、この競争の勝者の条件とは何か。それは、一言で言えば“変化すること”にあると思われる。ところが、これが簡単なようで案外難しい。太古の昔、繁栄を謳歌した地球上最強の生物とされる恐竜が絶滅したのは、さらに強い敵が現れたからではなく、環境の変化に適応できなかったからだと言われている。これは、このところ大企業が相次いで破綻したり、リストラを迫られている姿と妙にダブって見えないだろうか。大きいが故に、環境変化のスピードに追随できにくいというわけである。また、老舗や、大企業は、これまでに成功したからこそ、事業が継続し、大きくなってきたわけで、その成功体験が大きければ大きいほど、それが呪縛となって、環境が変わった時に、新たな成長の妨げになりがちである。バブル崩壊以降、われわれが直面している環境の変化は、戦後最大かつドラスチックと言っていいだろう。それ故に、企業はかつてない大きな変身を迫られている。如何に変わるか。第一歩は、これまでの常識を疑い、否定するところから始まる。それは、大企業よりも、むしろ身軽な中小企業ほど有利である。確かに、今は試練の時でもある。しかし、中小企業の多様な挑戦が、新しい時代のフロンティアを切り開いていく原動力となることを是非とも期待したい。
投稿者:専務理事 中嶋壽志|投稿日:2002年09月13日|
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