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- 専務理事 中嶋壽志
- No.0344
静岡県が直面する景気回復の壁
静岡県経済はかつて経験のない苦境の中にある。2007年までは、愛知県などと並び全国で最も景気が堅調な地域であった静岡県。それがリーマンショックにより一転してしまう。輸出依存が高い産業構造ゆえに、世界同時不況のマイナス影響が、他都道府県に比べよりストレートに、かつより強く表れたのである。
ところが、2009年の1-3月を底に、日本経済が回復傾向をたどる中で、静岡県の景気の戻りがどうも芳しくないのである。典型は雇用情勢と生産活動である。
まず、雇用情勢だが、有効求人倍率が昨年2月に全国を下回って以来、1年以上にわたり全国の数字を上回っていない。そもそも有効求人倍率が全国を下回ったことは、統計を取り始めてから一度もなかったことでもある。また、鉱工業生産指数の回復度合いも全国を下回ってしまっている。
このところの日本経済の回復を支えているのが、中国、インドなど新興国の景気回復に伴う外需の伸びである。これまでであれば、外需が伸びれば、静岡県経済はそれに敏感に反応し全国を上回る回復を実現するというのが常であった。しかし、今回はどうも様子が異なる。外需主導の景気回復局面にもかかわらず、外需に高依存する静岡県経済がもたついているのである。
この理由のひとつは、静岡県が欧米中心の輸出構造になっていることにある。たとえば二輪車をみると、国内生産は付加価値の高い大型バイクだけで、それ以外は新興国での現地生産がほとんどである。大型バイクの市場は欧米先進国であり、新興国の景気が回復しても輸出は増えにくくなっているのである。
もうひとつは、新興国での部品メーカーが急速に台頭してきていることがある。もちろん現地企業が競争力をつけてきていることもあるが、同時に静岡県内でも電気、自動車などの中小部品メーカーが、アジア進出を積極化しているため、アジアの成長が県内の生産に結び付きにくくなっているのだ。まさに、外需が回復しているにも関わらず、静岡県が回復の壁に直面してしまっている訳がここにある。
投稿者:専務理事 中嶋壽志|投稿日:2010年07月06日|コメントを書き込む
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