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- 研究部長 大石人士
- No.0134
元気のある商店街はどこが違う?
商店街の活性化について語る時、つい理想を語ってしまうことが多い。語った理想のように活性化策が進んでいれば、どこの街も、もっと活力のあるものになっていただろう。しかし、現実に元気のある商店街は、ほんの一握りでしかない。厳しい表現をすれば、商店街への期待が過大すぎていた、あるいは期待が現実的でなかったとも言えよう。誰もが想像する“個店の連続”としての商店街は、1つの時代における役割が終わったのではないだろうか。
モノを売るだけ、サービスを受けるだけの商店街は、都市機能の一部を担ってこそいるが、それだけでは消費者、あるいは最近いわれるような生活者に対して、存在価値を示すことができなくなっている。今、商店街に求められているのは、経済的機能だけでなく、生活者が街で暮らしていく上で、より充実感をもたらしてくれる文化的なものであり、小売商業機能の強化だけでは活性化は実現しないのが現実である。
そこで、まちづくりの視点を取り入れて、生活者ニーズに対応した中心市街地づくりが各地で進められ、成果を挙げつつある商店街も見られるが、ここでも期待が過大であったり、期待が現実離れしていたりして、活性化している商店街の数はあまりに少ない。TMOなどのまちづくり推進組織ができても、それだけで誰かが何かをやってくれるわけではない。元気のある商店街は、やはりそこに暮らし、商売を営んでいる商人自体が動かなくては、活性化の一歩も踏み出せない。そうこうしているうちに、取り返しのつかない衰退が目の前に現れるのである。
では、解決策はあるのか。街中に光り輝く店や、観光資源ともなりうるような集客施設がある商店街は、活性化の可能性は高いが、多くの商店街には、そうしたものが無い。しかし、無いなら作り上げる、そして、作り上げるのは人である。
最近、いくつかの元気のある商店街を訪ねたが、そこは、ハード整備は必ずしも十分ではないが、街に活力と賑わいが見られた。以下、街の中で共通して感じた点を上げてみたい。
一つは、家業に力を入れる若手商人・跡継ぎがいること。しかも、情報感度に優れ、先代の商売の良さを引き継ぎつつ、新しいトレンドを積極的に取り入れている。家業の繁栄なくして商店街がないのは自明の理ともいえるが、意外と、売り上げが伸びないのを商店街の責任にして、本業が疎かになっている。
次に、“おかみさん”のパワー。もともと商店を支えているのは“おかみさん”ということをよく聞くが、まさにそのパワーを自店だけでなく、商店街の活動や地域の文化活動にまで広げている。商店街の理事長が女性というのも、最近では珍しくなく、むしろ元気のある商店街の一つの特徴でもある。
さらに、活力のある商店街の場合、こうした若手経営者やおかみさんの活躍を支える店主に、理解があるということであろう。高度成長期の成功体験を持った一時代前の店主は、新しい変化に十分ついていけない場合が多いようだ。もっともっと、活力のある若手経営者やおかみさんに任せ、それをサポートするくらいのゆとりが欲しい。
そして、本当に商店街を活性化したいなら、ビジネス感覚を持ったリーダーが必要である。大型店の動向や経営戦略に精通し、イベントやPR手法にも詳しい人物。こういう人材はなかなか地元にいないとわれるが、商店街や地域の中には、こうしたノウハウや知識情報を持ったUターン人材がいて、愛する郷土のために各地で活躍し始めている。
何事も、立ち止まった時点から衰退が始まる。貴重な“人”という資源を活用して、元気な商店街をいつまでも残して欲しい。これも「理想」として片付けてしまうようだと、やはり衰退が始まってしまうだろう。
投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2004年12月22日|
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