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  • 研究部長 大石人士
  • No.0120

イベントをめぐる庶民の「金と時間」

 「金があるときは暇がない。暇ができると金がない」よく使われる言葉である。「貧乏暇なし」とまでは言わないが、確かに一般庶民にとって「金と時間」は、なかなか思うようにならないものだと思う。そして、その限りある「金と時間」の奪い合いが、商売の世界ともいえるのだが・・・。

 いま各地でイベントが盛んに行われている。身近では4月から浜名湖花博が開かれ、海外では先週からアテネオリンピックが開催されている。盛り上がれば盛り上がるほど、その経済的な効果が期待されるが、そこには陽の当たる部分だけでなく、陰になってしまう部分もある。

 花博は、ここにきて暑過ぎる天候から客足がスローダウンしていたが、4月のスタートから入場者は好調で推移し、旅行業者や近隣の宿泊施設、土産物関連業者も恩恵を受けている。しかし、周辺のレジャー施設では、コースとして花博とセットされた所と、単独で誘客に取り組んでいた所では、大きく明暗が分かれている。観光客の体も二つあるわけではなく、旅行する時間や財布の中身も限られるとなれば、頷ける結果ではある。

 オリンピックもまた、同様のことが言える。DVD、薄型テレビ等、今年の夏のボーナス商戦では、かなりの売上を記録し、まさにオリンピック効果である。しかし、開幕するとどうだろうか。夜の街は閑散とし、日本の選手が活躍すればするほど、客足は遠退く。居酒屋、カラオケ、外食レストラン等は、売上が10から20%ダウンのようである。ボーナスもすでに大方を使い、小遣いも少なくなっているので、始末して真っ直ぐ帰宅して声援ということだろうか。2年前の日韓ワールドカップの時も、同じような話を聞いた気がする。

 これで景気の今後の行方がどうかは判断できないが、個々の店や施設にとっては、この期間をどう乗り切るか、今後の展開次第では大きな死活問題ともなりかねない。台風襲来で泣き笑い、猛暑で泣き笑いと、天候にも左右させられながら、庶民が消費する「金と時間」は限られている。特に近年は、財布の中身がなかなか増えないとなれば、いかに財布のヒモを緩めさせて消費してもらうか。

 イベントも、企画など工夫して味方につければ商売になる。いかにイベントに関連付けて顧客の「金と時間」を取り込むか。また、イベント後の反動への対応や挽回策をいかに立てるか。庶民が持つ限られた「金と時間」に対する、まさに知恵と工夫の商売の世界である。

投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2004年08月19日|

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