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- 研究部長 大石人士
- No.0108
待ったなしを迎えた市町村の行財政改革
いま市町村行政は、大変革の真っ只中にあって、大きな岐路に差し掛かっている。1つは市町村合併の流れであるが、もう1つは、ある意味でそれと表裏一体をなす行財政改革の流れである。三位一体改革の進展や地方制度調査会の答申等を待つまでもなく、本来、行財政改革は、「最小の経費で最大の効果を上げる」という視点に立って、常に進められるべきはずのものなのだが…。
こうした中、大詰めを迎えている市町村合併論議で忘れられているのではないと思われることは、本当にそれで行財政改革が進むのか、つまり行政運営の効率化と住民サービスの充実が進むのかという原点の問題である。地方分権の受け皿として、合併して行政体が大きくなりさえすれば、それだけで専門化が進んで効率化できるというわけではない。また、合併しないという選択をしたとしても、将来、単独で本当にやっていけるだけの体制準備ができているかである。
新年度になって、地方交付税の激減が現実のものとなってきたことから、各市町村が本気で改革を検討し始めた。事務事業の全面的見直し(ゼロベース検証)、組織の統廃合やフラット化、税財政の将来シミュレーション、中長期的な自立計画の策定等々。もちろん、既に積極的に取り組んで成果を上げている自治体もあるし、数次にわたる行政改革推進大綱やアクションプログラムを作成して取り組んできた自治体も多いわけだが、いま求められているのは、さらに抜本的ともいえる改革の推進であろう。
「入るを計って出るを制する」という、民間企業にとっては至極当然な組織運営の論理が、ようやく「自治体経営」「地域経営」「行政経営」という言葉とともに、各市町村で議論されようとしている。これまで民間企業は、バブル経済の崩壊以降、10年以上にわたってリストラに取り組んできた。それは、右肩上がりの経済から右肩下がりの経済への対応ともいえる。そして、それでもまだ民間企業は、新しい時代への対応が十分できずに、知恵と努力を振り絞っている。
いま市町村行政が直面しているのは、国が示した、また地方も望んだ「地方分権」という方向性の中で、いかに自立していくか、しかも、将来にわたって地方交付税の減額が確実になり、自主財源にも大きな期待ができないという先行き収入減(右肩下がり)が続くと予想される中で、いかに住民福祉を確保、充実していくかである。
そして、こうした取り組みは、いままでの延長上で解決するものではなく、大きなシステム変更が避けて通れないだろう。限られた財源の中で市民満足度を上げていくには、必要な時に、必要なサービスを、必要な住民に対して提供していける仕組みづくりが求められ、費用対効果からみて無駄となるバラマキは絶対できない。また、地域の運営主体のあり方も、何でも行政が担当するのではなく、市民参加を促すことによって、住民パートナーとの協働による地域運営が必要となってきている。
いま一度、「最小の経費で最大の効果を上げる」という自治体運営の原則に立ち返り、住民の視点と経営の視点から、具体的に改革していくことが求められているのではないだろうか。
投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2004年05月25日|
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