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- 研究部長 大石人士
- No.0094
「そんなこと」や「そんなもの」から見つめ直して行動に
まちづくりに関わって会議に参加していると、ある人が提案したアイデアに対して、「そんなことをして、どうなるの?意味はないよ」と、冷めた言葉を言う人がいる。しかも、会議が終わって真っ先に。本当は、「そんなことすらも実行してこなかった、あるいは出来ない」人なのだろうと思う。すべてに後ろ向きな発言、姿勢である。
一方、最近、まちづくりのネットワークで出会う、元気で輝く町のリーダーやフォロアーたちは、「そんなこと」や「そんなもの」に目を向け、コツコツ継続してまちづくりに取り組んでいる。地域で見落とされていた“旧くて良いもの”を見直し、自らが手弁当で活動に参加したり、他所のマネではなく、自分たちの手づくりで個性ある地域づくりを成し遂げようとしたりしている。そこには、すべてに前向きな姿勢と行動がある。
ところで、前者のような後ろ向きな発言や姿勢が増えてしまったのは、どうしてだろう。自分は黙っていて何もしなくても、誰かがやってくれる社会。放っておいても、皆が一定地点まで到達できる社会。そんな社会に長くいて慣れ過ぎ、行動を忘れてしまったのだろうか。
いま、社会全体に閉塞感が強いといわれる中で、「高度成長期の“成功体験”は忘れよう」と盛んにいわれるが、そもそも自分の努力と工夫で成功した人がどれだけいるのか。多くの人は時代の流れの中で、単に良き体験を「共有」してきたにすぎないのではないかと思ったりする。
しかし、環境は確実に変わった。いま、もう一度、原点(初心)に帰って、「そんなこと」や「そんなもの」から取り組んでみる必要があるのではないだろうか。
話は少し異なるが、企業においても、「そんなことは手間やコストがかかるから、誰かにやってもらえばいい」なんて言っていると、基本的なところや本質的なところで、思わぬミスや事故につながったりする。また、「そんなもの売れるわけがない」なんて、ニーズやウォンツの本質を見逃していると、ライバル企業に先を越されて商品開発され、結局いつまでも追いつけなかったりもする。
「そんなこと」「そんなもの」と、合理化や省力化という名の下でコストだけを重視し、コツコツ積み上げる努力や当然なすべきこと、あるいは、その間にある工夫や創造性を、あまりに軽視しすぎてきたように思える。
いささか飛躍したが、まちづくりネットワークで知り合った女性リーダーの、力強い言葉が耳に残っている。
「仕方がない(やむをえない)のではなく、ヤル気と工夫があれば、いくらでも仕方(方法、手段)はあるはず」「できない理由を100並べても、できる理由が1つあれば、事は進めることができる」「失敗を恐れると進まないし成功もない、すべては一歩踏み出すところから始まる」「人に任せないで、まず自分から、できることを精一杯!」
まちづくりにも企業活動にも参考となる言葉だと思うが、いかがだろうか。「そんなこと」「そんなもの」と、評論するだけの人は大勢いる。しかし、「どうすればできるか努力工夫し、実現するまでヤリ抜く」といった人が少なくなっている。
「そんなこと」「そんなもの」と考えていた基本や本質、当然と思っていたことを、もう一度見つめ直して行動に移すことで、次の発展や成功が生まれてくるのではないか。今は、そんな時期にあるように思う。
投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2004年02月05日|
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