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  • 研究部長 大石人士
  • No.0081

合併協議と同時に、新市のあり方(運営方法)の議論を期待

 市町村合併の議論も、いよいよ正念場を迎えた。合併特例法の適用期限である平成17年3月末まで、残すところ1年半を切り、タイムリミットは迫っている。先月から今月にかけて、法定協議会の設置が相次ぎ、10月15日現在、全国では426の法定協議会が設置され、全国の市町村数の半分を超す1662の市町村が参加している。

 全国ベースでは、九州や中国地方など西日本で法定協議会の設置数、参加市町村数が多く、設置数ゼロとなっているのは、東京都と岩手県のみである。各都道府県の事情、あるいは隣接する市町村との関係からか、取り組みにバラツキがみられ、協議段階とはいえ、財政事情や住民意識の違い等による市町村合併の難しさが感じられる。

 とはいえ、協議が進み、新市名や市役所位置などが決まってくると、住民意識も盛り上がってくると思うのだが、実際には行政ベースで淡々と進んでいるケースが多いようである。既に合併した市町村でも、「何が変わったの?」と感じている住民が多いと聞く。変わらなければ、それでいいのだろうか。

 住民にとっては、合併効果により、負担減(あるいは同負担)・高サービスとなること、生活環境が改善されること、活力ある街に変わること、その実現のために地方行政改革を期待しているわけであり、それは具体策が見えるか見えないかの問題とも言える。

 市町村合併に向けての協議事項は、決められたものだけでも数十項目、細かな事務手続き等も含めると何千項目となるが、住民が期待している議論は、その先にあるように思う。

 たとえば、行政の効率化を進め小さな役所を目指すといっても、その際、民間への業務委託やボランティア等の市民参加をどう進めるのか、あるいは、行政サービスの充実や地域の個性づくりに向けて、新しいコミュニティ・自治組織はどうあるべきか、さらに、環境や生活重視の時代とはいえ、街の活力となる産業をどのように再生させるのかなど、これらは合併後の新市の課題ともいえるが、住民が注目するのは、まさにこうした身近なところにあると思う。

 静岡県内でも、法定協議会が相次いで設置され、協議事項を中心に議論が進んでいるが、一方で、合併後の新市のあり方が問われ、あるいは、合併しない選択をした市町村の場合には、今後どのような自治運営・まちづくりを進めるのか、住民が関心を持てるような議論を進めていって欲しいし、また、そうした住民の高い関心のもとに運営されるのが、これからの地方自治に求められていることではないだろうか。

投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2003年10月17日|

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