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- 研究部長 大石人士
- No.0068
中心市街地の“ハート(こころ)事業”は進んでいますか
「中心市街地活性化法」「改正都市計画法」「大規模小売店舗立地法」のいわゆる“まちづくり三法”が成立して、5年が経過した。空洞化が懸念される中心市街地の再生とともに、まち全体のあり方に大きな影響を与える大型店の適正な配置、個々の出店に対して周辺環境との調和を確保するための基準の設定などを趣旨とするものであった。
さて、5年が経過して、街はどのように変わりつつあるのか。
「市街地の整備改善」と「商業等の活性化」を両輪とした総合的・集中的な施策の実施を目指す「中心市街地活性化法」に基づき、基本計画を策定した地区は全国で574市区町村591地区(7月2日現在)、推進のためのタウンマネージメント(TMO)構想は約270地区で認定されている。
しかし、計画や認定の数が問題ではない。どれだけ実質的な“まちづくり”の成果が上がっているかである。
区画整理事業や街路整備事業など、すでにハード事業が確定していて基本計画を策定した地区は、目に見えて街の変化を感じるであろう。また、目に見えにくいソフト事業を中心に計画した地区でも、イベントや環境美化、空店舗対策事業などを地道に進めることで、暮らしやすさや賑わいを取り戻しつつある街もある。
その一方、ハード事業が進まず、空店舗が増えて“シャッター通り”化するだけ。ソフト事業も“笛吹けど踊らず”状態で、日中は人の気配すらない。ハードやソフトをやってはみたが、採算は大丈夫か、効果は本当にあったのか。そんな街が大半であるのも現実である。こうした違いはどこから生ずるのか。
中心市街地に人が集まる仕掛けづくりとして、?商業施設や公共施設の設置・機能強化、あるいはイベント等で魅力を高めること、?バリアフリーで歩きやすくしたり、広場や公園等の憩いの空間を整えたりすること、?駐車場の整備、コミュニティ循環バス等で来やすくすること、?住む人そのものを増やすこと、などが挙げられるが、こうした仕掛けは誰もが理解しつつ、その先に進めない。
しかし、いまや、1970年代や80年代のようなハード事業中心の商店街近代化事業ができる財政状況ではない。また、“モノが売れない時代”を迎え、地域の商業者を取り巻く経済環境も厳しい。さりとて、賑わいがあってこその中心市街地であり、地域の顔である中心市街地づくりは、これからの課題でもある。
確かに、“モノの売れる時代”には「中心市街地=モノを売る場」という考えで賑わいが生まれたが、これからは「中心市街地=ヒトの交流・生活の場」であり、そこに賑わいが生まれと考えるべきであり、その先に、生活者に対して“モノやサービスを提供”する商業者の機能が求められるのではないだろうか。
成果が上がっている街をみてみると、やはりポイントは「人」である。客観的な目標を定めて、街づくりのイメージを共有できる人がどれだけいるか。その人たちが組織化され、その活動に対して住民参加や行政支援がどれだけできるか。
ハード事業やソフト事業も重要であるが、その前に求められるのは、街を良くしよう、計画を成し遂げようとする気持ちをどれだけ醸成できるかで、「ハート事業」が重要だと言われるが、まさに、それを実践しているか否かで“まちづくり”格差がついてきているように思う。
投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2003年07月11日|
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