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  • 研究部長 大石人士
  • No.0054

真の合併論議・都市経営論議を期待

 この4月1日、旧静岡市と旧清水市との対等合併により、新「静岡市」が誕生した。静岡県内では、平成3年5月に行なわれた可美村の浜松市への編入以来の自治体数の変化であり、これで県内の市町村数は73となる。
 現在、全国では、合併特例法の期限である平成17年3月末に向けて、合併論議が盛んに行なわれており、約8割の自治体が何らかの形で合併を模索している。静岡県内でも、現時点で17地域において合併協議会や研究会、あるいは大枠の合意が進められており、このまま順調に議論が行なわれれば、静岡県内の市町村数は約3分の1の25前後となる。当初、総務省が、全国約3200の市町村を3分の1の1000程度にしたいとしていたわけだが、数の上では静岡県も、ほぼ期待水準を達成することになる。

 さて、ここ数年、法定あるいは任意の合併協議会や研究会・勉強会、さらには住民説明会等に参加・傍聴し、気になることがある。それは、多くの場合、合併のメリット、デメリットを並べただけで賛否を決めようとしていること、また、住民が関心を持つだけの十分な情報が提供されているかということである。
 「もっとメリットがあるだろう」「こんなにメリットはないはずだ」あるいは「こんなデメリットもあるじゃないか」「デメリット以上のメリットがある」など、右へ左への議論が多い。また、財政上の効果や人員、サービス料金体系等、合併後の数字に関する議論が中心となっている。もちろん、これらは合併の目的上必要なことであり、住民の関心もあるところである。
 しかし、合併のメリットを出す、さらにより以上の効果・数字を出すためには、どんな仕組みか必要か、あるいは取り組んでいくのか、誰も語ってくれていない。また、たとえば、大規模化することで危惧される地域コミュニティやシビルミニマムの確保など、デメリットを出さないために、どんな新たな仕組みに取り組んでいくのか、誰も語ってくれない。そんな場面が、これまで多かったように思う。

 各地で住民投票の動きもあるが、合併に不可欠な事項ではない。であるとしたら、期待されるメリットを実現していくにはどうするのか、デメリットを最小限に抑え、より以上の効果・数字を生むためにはどうするのか、住民に見える形で、その姿勢や施策を示していくことが、真の合併論議につながると思う。
 合併特例法の期限を2年後に控え、今年度は、合併に向けた議論が一層盛り上がるとともに、枠組みや是非を決める正念場の年となる。メリット・デメリット論、新市の将来像や数値目標だけでなく、合併して大きな都市になった後に、どんな新たな仕組みや施策によってより良い都市づくりを進めていくのか、真の都市経営論議を期待したい。


投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2003年04月11日|

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