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- 研究部長 大石人士
- No.0041
次なる国際的ビッグイベントは?その意義は?
日本中、いや、世界中で盛り上がりをみせたワールドカップ・イヤーが終わる。
これまで日本では、1964年東京オリンピック、1970年大阪万国博覧会、1972年札幌冬季オリンピック、1975年沖縄国際海洋博覧会、1985年筑波国際科学技術博覧会、1990年大阪国際花と緑の博覧会、1998年長野冬季オリンピック、そして2002年ワールドカップ日韓共催など、ワールドサイズのビッグイベントが数多く開催されてきた。今後は、2005年愛知国際博覧会(愛・地球博)が予定されている。
一方、お隣の韓国では、1988年ソウルオリンピック、1993年大田国際博覧会、2002年ワールドカップ韓日共催。そして、成長著しい中国では、これから2008年北京オリンピック、2010年上海世界博覧会(今月決定したばかり)などが開催されることとなる。
ビッグイベントについては、国際的意義や費用対効果などの課題もあるが、ここでは次の2点について触れたい。
1つは、国の勢い、成長の様子がそのままビッグイベントに現れることである。1960年代から70年代にかけての日本の高度成長と、80年代の成熟。韓国では80年代から90年代にかけての急成長。そして、90年代から今も続いている中国の成長。ビッグイベントの開催状況と各国の経済成長の過程をみても、21世紀初頭は中国の時代を予想させる。もっとも、自国の高い成長の裏づけと自信があってこそ、これらのビッグイベントが開催されるものではあるが、国の勢いを、まさにワールドサイズで示すものである。
もう1つは、これから日本は何を目指すのかということである。オリンピック、国際博覧会、ワールドカップという、世界で最も注目されるスポーツ・科学・文化のビッグイベントを、日本はすべて経験したことになる。では、2回目、3回目の開催を、となるのか。日本の経済・産業の行く末だけでなく、ここでも次に目指す明確な日本の目標が見つからないようにみえる。
当所発行の月刊誌「SERIまんすりー」2003年1月号新春特集で、「幸福の生産性」と「匠のたくらみ」という寄稿提言を受けた(詳細は本誌参照)。そこには、成長や効率性を追求するあまりに忘れられてきた「真の豊かさや創造性」が問われているように思われるが、そうした真の豊かさや創造性を追求することが、社会的にみた成長や効率性、持続的な発展をもたらすのではないかと思う。
そう考えると、これからのビッグイベント、あるいは広義でのコンベンションなどは、国ごとの事情や時代背景により開催意義も異なるであろうが、少なくとも日本にあっては、国勢を盛り上げるためのものではなく、その内容・テーマ、主体となる人・参加する人の意識によって、どれだけ世の中に問うことができるかが重要となろう。21世紀は、たとえイベントの規模は小さくても、国民1人ひとりが真の「豊かさ」を実感でき、「創造性」が醸成されるようなイベントが、数多く、また日本発で開催されていくことを期待したい。
投稿者:研究部長 大石人士|投稿日:2002年12月27日|
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