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  • 常務理事 大石人士
  • No.66

レガシー(遺産)効果をいかに高めるか

 まもなくブラジルでリオ・オリンピック(五輪)が始まるが、4年後の2 0 2 0年に向け、2つの世界的スポーツイベントが静岡県内で開催される。「ラグビーワールドカップ2 0 1 9」の会場の1つにエコパスタジアム(袋井市)、「2 0 2 0年東京オリンピック・パラリンピック」の自転車競技が伊豆ベロドローム(伊豆市)で開催されることが決定している。
 ラグビーワールドカップは、夏季五輪、サッカーワールドカップに次ぐ、世界3大スポーツ祭典とされ、テレビ観戦者数は世界で4 0億人といわれる。開催期間は約7週間と夏季五輪の2週間より長く、昨年日本チームの活躍で話題となったイングランド大会での観客動員数は約2 5 0万人。開催地の経済効果に期待が膨らむ。
 一方、オリンピック自転車競技は、トラック、マウンテンバイク、ロードレース、BMXの4競技のうち伊豆で開催されるのは、スプリント、ケイリン、オムニアムなどのトラックと、未舗装のコースを周回する形式のマウンテンバイク。トラックで6日、マウンテンバイクで2日程度だが、首都圏以外での五輪開催、しかも富士山をバックに伊豆の魅力を世界に発信する絶好のチャンスとなる。
 この機会を活かすためには、選手や観客の受入態勢について官民を挙げた準備が必要だ。会場や周辺道路、WiFiなど情報環境の万全な整備、宿泊・小売業等における多言語・多文化への対応、さらには"おもてなし"を担う草の根のボランティアの育成。いずれも2 0 0 2年のFIFAワールドカップ(サッカー)開催で経験済み。入念な準備が欠かせない。
 近年のスポーツイベントでは、大会中の盛り上がりだけでなく、大会終了後も長年にわたって続く『レガシー(遺産)』効果が重視されている。半世紀前の東京五輪では、スポーツのメッカとなった国立競技場等の競技施設、交通インフラとしての東海道新幹線や首都高速道路、メモリアルとしての体育の日の制定などが、有名なレガシーとして挙げられる。
 開催効果を一過性のものにとどめず、地域の継続的な振興に役立つものとするためには、大会終了後を見据えて、スポーツを通じた交流を地域に根付かせるような取組みも求められる。すでにチームキャンプ地誘致や、スポーツ交流だけでなく文化・観光交流プログラムの検討を始めた自治体もある。大規模スポーツイベントを契機とした有形・無形のレガシーをいかに創出し、次世代に継承していくか。官民の知恵を結集し、静岡ならではの仕組みをつくり上げていくことを期待したい。

投稿者:常務理事 大石人士|投稿日:2016年06月01日|

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