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"種まく時"から"実りの時"へ

"次代に向けた成長戦略の姿が見えない"と言われてきた。一生懸命に種をまいて育てようとしても、実る時期が果たして来るのか、仮に収穫できたとして売れるのか。10年前のリーマンショック以降、さらに遡ればバブル崩壊から20年超にわたって続く低成長経済の中で、多くの経営者がこうした思いを抱いてきたと思われるが、ここにきて企業を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。
1つは、人口減少・少子高齢化の影響が具体的に顕在化し始めたことにある。既存の消費マーケットの縮小や、企業を担う人材(労働力)不足の問題などマイナス面が表面化する一方で、"生活価値観の変化"、とりわけ雇用・就労形態の多様化を含む"働き方改革"の動きや、"超高齢社会""グローバル化"の進展などにより、企業活動や個人の生活を実り多いものにするための新たなニーズが生まれ、成長マーケットの姿が少しずつ見えてきている。 
もう1つは、ここ数年の科学技術の著しい進展である。電気自動車(EV)化や自動運転技術といった世界的な次世代自動車へのシフトだけでなく、IoTやAI(人工知能)、ロボット技術、新エネルギーなど、現代の社会課題である人手不足や環境への対応、さらにはEC(電子商取引)に代表されるICTを活用した商流の変化など、次代への成長に向けて新技術への取組みが不可避となってきている。
こうした中で静岡県では、2018 年度から4年間の「静岡県経済産業ビジョン」がスタートする。今回のビジョンの特徴は、戦略の第1番目に「産業人材の確保・育成」が掲げられたことにある。最近の景気回復過程において、企業成長のボトルネックが需要不足よりもサプライサイドの天井(労働力不足)にあることを考えると、非常に意義のあるタイムリーなものといえよう。
また、次世代産業の創出・成長産業分野への参入促進は、これまでのファルマ(健康医療)、フーズ・サイエンス(機能性食品)、フォトン(光)の3つの産業集積クラスターに加え、次世代自動車、新エネルギー、環境、航空宇宙、ロボットのほか、CNF(セルロースナノファイバー)や先端農業などで支援センターの整備や研究会の設立が進み、ここに企業サイドのチャレンジが加わることによって、"種まきの時"から"実りの時"へと、具体的な成果が期待される段階にきている。
思うように成果が上げられなかった厳しい時代に、どれだけ種をまき、育てる努力をしてきたかが問われる"実りを収穫する時期"が近づいてきているのではないだろうか。

投稿者:常務理事 大石人士|投稿日:2018年02月28日|

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