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  • 主任研究員 大石真裕
  • No.0219

製茶業界の2006年と2007年

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、当研究所では、県内主要産業を22業種に分類し、担当者を配置して定期的に景況調査等を行なっている。私は、製茶業界を担当させていただいているが、製茶業界の2006年を振り返ってみると、厳しい1年であったといえそうだ。
 荒茶市況は、3月下旬の低温で一部に凍霜害が発生した上に、需要のピークである八十八夜の頃に、多雨のため摘採が進まず出荷できなかったことで、一番茶の平均価格は前年を約1割下回った。二番茶以降も、一番茶の価格水準を引き継ぐ形でスタートし、さらには製茶問屋の在庫水準が高く抑え気味の仕入れとなったことから、前年比1-2割程度低い価格水準となった模様である。
 一方、荒茶生産量は、一番茶が1万7,900トンで前年比5.3%減少。二番茶以降も、荒茶価格の低下に加えて、重油価格の高止まりが生産コストの押し上げ要因となり、摘採を見送る農家が増えたため、前年を1-2割程度下回ったとみられる。
 需要面では、荒茶価格の低下に加えて、消費者の低価格志向やリーフ(茶葉)離れなどから、家庭のリーフ購入数量・単価は前年を下回った。拡大を続けてきた緑茶ドリンクの販売も、大型新商品の投入がなく、無糖炭酸飲料の伸長にも押されてブレーキがかかり、製茶問屋の出荷額は前年実績を下回った模様である。

 さて、2007年であるが、生産については、3月以降の気象条件に大きく左右されるが、現時点では園相も良く、平年並みの品質・収量が期待される。また、製茶問屋の在庫も適正水準に近づいているとみられ、荒茶価格の回復が見込まれる。
 需要面では、残念ながらリーフ需要の低下傾向は、今年も続くのではないだろうか。しかし、ペットボトルに代表される緑茶ドリンクの需要は、伸びが鈍化しつつも拡大すると見込まれ、また近年では、カテキンやテアニンなど緑茶の有効成分に注目が集まり、その栄養素をもれなく摂取する「食茶」需要も拡大をみせ始めている。
 「茶業界は低迷しているが、茶産業は拡大している」という言葉が聞かれるように、従来からのリーフ需要は縮小基調にあるが、茶の用途開発はどんどん広がっている。よって、県内製茶業界においては、マーケット起点の発想で、消費者のし好にあった商品を提供し、リーフ需要の拡大を図るとともに、ドリンクメーカーとの取引や、“飲む”以外の用途開発を進めるなど、より柔軟な発想での取組みを期待したい。

 また、本年11月には、「第3回世界お茶まつり」が開催される。このイベントが、近年、増加しはじめている緑茶輸出を、さらに後押ししていくことになればと思う。

投稿者:主任研究員 大石真裕|投稿日:2007年01月16日|

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