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  • 主任研究員 大石真裕
  • No.0047

長所を伸ばすことを考えよう

 平成7年4月、新規性に富んだ製品・サービスを生み出そうとする創造的事業活動を行う中小企業の支援を目的とする「中小企業創造活動促進法(以下、中創法)」が施行された。本法の認定を受けた企業は、信用保証協会の債務保証枠の拡大や、税制面での優遇措置といった金融面の支援を受けることが可能となる。

 そこで、静岡県における中創法の認定事業件数をみると、平成14年末時点の累計が633件に上る。これは、東京都、大阪府、神奈川県に次いで、全国第4位という高い水準である。さらに、近年の推移に目を転じると、平成12年度は76件で全国第3位、13年度が98件で東京都に次いで第2位と勢いを増している。そして今年度は、15年1月末時点で101件に達し、すでに昨年実績を上回っており、本県企業の活路開拓に向けた取組みは、ますます活発化しているといえよう。

 そして今回、中創法の認定を受けた企業をヒアリング調査する機会を得て、訪問をはじめた。そのなかには、ここ5-6年で売上が10倍にも伸びるなど成長を遂げる企業がある一方で、製品化までは辿りついたものの、売上が伸びずに製造を中止してしまったケースや、申請当時は従来にない新技術・新製品と考えられたが、1年、2年と月日が経過するなかで技術革新などの環境変化によって、より優れた技術・方式が登場し、開発自体を中断してしまったというケースも散見された。

 しかし、一旦挫折しても、ただでは転ばない企業も多い。その共通項は、コアとなる技術を持っていることだ。たとえば、超音波応用技術をコアとする企業では、中創法認定を受けてダイバー用超音波水中無線機の開発に成功したが、経済環境の悪化などもあり販売を伸ばせず、製造中止に追い込まれた。しかし、超音波応用技術を活かして切削装置を開発、切削時のバリの発生をなくし作業工程を減らす、刃の寿命が長期化するといったメリットから、自動車メーカーなどに納入されており、また高い汎用性からユーザーとなり得る業界は幅広いため、今後、事業の柱となることが期待されている。

 これまでにない新市場を創り出していくことは、華やかではあるが苦労も多く、ハイリスク・ハイリターンな選択といえる。むしろ、自社のコア技術やこれだけは負けないというものを確立し、市場性などを踏まえてその用途開発を考えることが大切ではないだろうか。もちろん、既存市場に参入していく後発組のため、他社との差別化をアピールできるだけの何かがなければならないが。


投稿者:主任研究員 大石真裕|投稿日:2003年02月14日|

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