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  • 主任研究員 大石真裕
  • No.0007

登場相次ぐ産業支援施設に期待

 開業率が低迷している要因の1つに、事業に失敗した経営者の再起が難しいという点が挙げられるが、本当だろうか。これを検証する意味から、昨年、国民生活金融公庫総合研究所では、『「2度目の開業」に関する実態調査』を行った。本調査によれば、
 1.収支が「黒字基調」と回答した企業の割合は59.9%で、新規開業企業(51.2%)と比べて高い水準にあるなど、「2度目の開業」企業は、事業の立ち上げやパフォーマンスなどの面において、総じて新規開業企業よりも優れている。
 2.廃業経験がマイナスになっている点があるか否かについては、89.4%が「特にない」と回答し、逆に、廃業した経験や事業を経営した経験の活用状況に関して、76.2%が「生かしている」と答えるなど、廃業経験から学んだことを現在の事業に生かしている経験者が多い。
 3.民間金融機関等は、すべての廃業・倒産情報を把握しているわけではなく、金融面において再起を妨げる制度的な要因は見当たらない。
 ことなどから、失敗者の再起が難しいとは必ずしも言えない、としている。
 ただし、廃業・倒産した者がすべて再起できるわけではなく、少なくとも、廃業のタイミングを見極め、廃業後に負債を残さないこと。残ってしまった場合には、誠意を持って対応すること、事業の核となる独自の製品・技術・サービスを持つこと、周囲の支援を得ること、の3つの条件のいずれかを満たすことが鍵となる、と締めくくっている。

 本県では、13年度、沼津市に「起業・創業」のコーディネートを事業の柱の1つに据えた『ぬまづ産業振興プラザ』がオープン。そして今年度、清水市が『清水市産業・情報プラザ』を開設し、静岡県では創業準備者を対象とする『仮称・スタートアップルーム』を予定している。さらに16年度には、静岡市が『仮称・産学交流センター』を設置し、産学官の連携により新規創業などの支援を予定するなど、新規創業活発化のためのインフラ整備が急速に進んでいる。
 そこで重要なことは、支援する側もされる側も使命感を持つことではないだろうか。神奈川県相模原市の起業支援を行う第三セクター・さがみはら産業創造センターでは、アルプス技研(東証2部上場)の松井会長が社長に就任し、自らインキュベーション入居企業の指導に当たり、一定の効果を上げている。
 産業支援施設が、単なる会議室やオフィスにとどまることなく、支援する側とされる側が出会い、互いの要望に応えるために能力を高め合う、活気に溢れる場となることで、本県の新規創業が連綿と続いていくことを期待したい。

投稿者:主任研究員 大石真裕|投稿日:2002年04月26日|

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