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  • 主任研究員 大石真裕
  • No.0312

ギャルも芸能界も企業も農業を目指す!?

 皆さんは、「ノギャル」をご存知だろうか。東京・渋谷のギャル(若い女性)を対象にしたマーケティング会社の社長だった藤田志穂さんが、若者の農業への理解を深めようと始めた農業プロジェクトの名称で、“農業をするギャル”を略したものだ。「イケてる農業」をコンセプトに秋田県で米作りを始め、秋には「シブヤ米」として売り出すことが予定されている。さらには、富士宮市において野菜作りにも挑戦、またアパレルメーカーと提携して「イケてる農作業着」のプロデュースにも取り組んでいるという。
 一方、大手芸能事務所の?アミューズでは、「ららら農業プロジェクト」を発足させている。エンターテインメント企業の立場から、農業への関わり方や未来の農業のあり方を考え提案しようというもので、千葉県内に農地を借りて社員や所属アーティストが農作業に挑戦したり、農業情報番組「畑のうた」(テレビ東京)の制作を行っている。

 このほかにも、大手小売業や外食産業が直営農場を拡大したり、植物工場を手掛けたりと、ここにきて農業が新たなビジネスチャンスとして脚光を浴びている。しかし、冷静に振り返ってみると、農業総産出額はピーク時の7割に縮小しており、総農家数は40年で半減、基幹的農業従事者の高齢化率は6割に迫るなど、決して明るい状況にはない。
 新たな担い手として企業などの参入も期待されているが、一朝一夕には進まないだろう。農業は自然を相手にする事業のため、計画生産、品質管理が難しい。その上、2つのミスマッチ(人材と農地)も壁となろう。人材ミスマッチは、高齢者介護市場がそうであるように、ニート、フリーターを農業に従事させればいいという単純な問題ではない。そして貸し出される農地は、作業が困難で生産性の悪い中山間地域などの土地が多いと思われ、借り手の企業が望む“好物件”は多くないかもしれない。

 6月の農地法改正によって、自作農主義からの転換が図られたが、農業の活性化には、これまでの延長線上ではない農業政策の見直しが求められる。加えて、農作物をそのまま出荷するのではなく、農業者自らが加工して付加価値を高め売っていく“6次産業化”によって、儲かる事業にしていくことが重要ではないか。また、「定年帰農」「半農半?」といったライフスタイルを選択する人々が登場し、市民農園や体験農業が注目されるなか、農業をいきがいや趣味と位置づける生活者と中山間地域などの小規模農地とを上手くマッチングさせていくことも必要だろうか。機会があれば、腰を据えて調査してみたいテーマである。

投稿者:主任研究員 大石真裕|投稿日:2009年08月10日|コメントを書き込む

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