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  • 主任研究員 大石真裕
  • No.0190

どこまで伸びる緑茶ドリンク

 今年も、新茶シーズンを迎えたが、近年では、ペットボトルに代表される「緑茶ドリンク」の愛飲者が増えている。酒類食品統計月報によれば、急須で入れて飲む「リーフ」の市場が、ここ10年ほどは斬減傾向にある一方で、「ドリンク」市場は急拡大を続け、1994年に805億円であったものが、2002年には3,253億円でリーフ市場を追い抜き、2004年には4,352億円にまで伸長している。

 そのきっかけは、2000年3月の「生茶」(キリンビバレッジ)の登場にさかのぼる。「生茶」は、初年度売上高450億円という大ヒットを記録し、昨今の緑茶飲料ブームの火付け役となった。翌年には、「旨茶」(アサヒ飲料)、「まろ茶」(日本コカ・コーラ)の登場で、市場はさらに拡大。最近では、2004年に登場した「伊右衛門」(サントリー)が市場拡大に大きく貢献した。京都の老舗製茶問屋のブランドイメージと竹筒をイメージしたペットボトルが奏功して、同社の緑茶飲料は前年比約3.5倍に増加し、業界第2位へと躍進を果たしたのである。また昨年は、日本コカ・コーラやアサヒ飲料が、「若武者」、「一(はじめ)」といった新しいブランドを立ち上げ、“緑茶戦争”と呼ばれる熾烈な競争状態となった。
 そこで、今後の市場動向だが、現在4,000億円強の市場規模が2015年には1兆円にまで拡大するといった強気の見方をするドリンクメーカーもあり、拡大を続ける公算が強いといえよう。

 静岡県は、生葉・荒茶生産量が全国シェア4?5割を占める日本一の茶産地である。それゆえ、すでに多くの県内産茶葉が、緑茶ドリンクの原料にも使われているようだが、この分野では、鹿児島県など後進県に勢いがあり、生葉・荒茶生産量ほど市場占有率は高くないとみられる。
 ドリンクメーカーが緑茶原料に求める条件は、「まとまった量を安定供給できること」、「品質が均一であること」、「コストが安いこと」などである。しかし、本県の場合、山間地の茶園が多いことから乗用型管理機の導入が進みにくく、他産地と比べて生産性が高いとは言い難い状況にある。また、斡旋商を通じた相対取引による流通量が市場内流通のそれを凌いでいることに加えて、大規模な製茶問屋が少ないことから、まとまった量の調達には不向きな流通構造といえよう。そのため、もし本県において緑茶ドリンク向けの原料供給を目指していくのであれば、工業製品の原料を供給していくのだと頭を切り替えること、そして茶農家や農協、製茶問屋などが一体となって取り組んでいくことが必要となろう。

投稿者:主任研究員 大石真裕|投稿日:2006年04月21日|

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