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  • 主任研究員 玉置実
  • No.0244

広がる、学生による地域や社会的課題への取組み

 近年、地域の課題を自らの手で解決しようとするNPOや市民活動団体が数多く登場しているが、こうした中、大学生や専門学校生などの学生が、自らの手でまちづくりや地域の課題の解決に取り組もうとする動きが拡大していることをご存知だろうか?大学生とまちづくりというと、これまでも空き店舗対策に学生のアイデアを活用する動きはあったが、最近では、就職支援や環境問題などさまざまな分野に活動範囲が広がっているのである。
 
 こうした取組みが増加する背景には、学生の柔軟なアイデアを、地域や商店街の活性化・再生に結び付けたいとする自治体や商店街の意向がある一方で、学生が在籍する大学側にも、全入時代を迎え、地域の生きた教材をテーマとするフィールドワークによって、学生に魅力ある講義が提供でき、最終的に学生確保につながるといった狙いがあるものと思われる。

 しかし、活動の課題も多い。まず、学生は4年間で卒業してしまうことから、組織として継続性をどのように持たせるかである。就職活動で忙しい4年生ではなく、3年生が中心とした仕組みを作る工夫をしているグループもあるが、それでも毎年、学生の関心や成果にはバラツキが生じてしまう。また、学生中心の活動といっても、多くはゼミ活動の延長線であり、対外的な交渉や事前準備など指導教官の負担が重いという問題も生じている。大学側でも地域貢献の重要性は理解していても、具体的に教官の支援を行う大学はまだ少ないのが現状である。さらに、行政からの委託事業を継続的に行っている場合には、前年度より高い成果が求められることも、活動が継続し難い一因となっている。NPOや企業のように、同じスタッフが事業を行えば前年実績より高い結果を残すことは可能だが、毎年入れ替わり教育的要素が強い学生にとっては必ずしも容易なことではない。

 学生の地域や社会的課題への取組みは緒についたばかりであり、しばらくは、大学内部の支援体制や地域の関わり方など、解決しなければならないハードルは多い。ただ、少子高齢化の進展により、今後、若者にはますます地域の担い手としての役割が増すだけに、地域や大学など、学生を取り巻く方々の積極的な支援が期待される。

投稿者:主任研究員 玉置実|投稿日:2007年10月23日|

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