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- 常務理事 高橋節郎
- No.0118
21世紀を担う国々はBRICs(ブリックス)
BRICs(ブリックス)という言葉がある。これは、ブラジル、ロシア、インド、中国(China)の略で、21世紀を担うのはこれらの国々であるという調査報告書が米国の有力投資銀行ゴールドマンサックス証券より昨年暮れに発表されて一躍有名になった。この報告書では、現在の先進6カ国(米日英独仏伊、以下G6)とBRICsのGDPを比較して、現状のBRICs4カ国のGDPはG6合計の15%に過ぎないが、このまま推移すると2025年にはG6の半分に、そして2039年にはG6と並ぶとしている。その結果、2050年におけるGDPの国別順位は、中国、米国、インド、日本、ブラジル、ロシアとなり、現在の先進国のうち、50年先もG6に留まることができる国は米国と日本のみとなる。ちなみに、現在のところ、日本のGDPは、米国に次いで世界第2位であるが、2015年には中国、2032年にはインドに抜かれるとのことである。
BRICsに共通しているのは、広大な国土、多い人口、豊富な天然資源である。前述のとおり、この報告書は米国の名だたる投資銀行が作成したものであり、BRICsへ投資資金を呼び込みたいとする商売上の意図が背後にあることは間違いない。とは言え、これらの国々が、現在の路線を大幅に誤らなければ、このシナリオはかなりの確度で実現可能と思われ、こうした成長の流れに沿ってBRICsに資金を投資していくことは、長期的にみれば、新たな収益機会となるであろう。
一方、本報告書によれば、1人当たりのGDPでみると、現在の先進国は21世紀半ばでも引続き上位に位置するとしている。つまり、将来は、(BRICsのように)GDPが大きい国だからといって、それが必ずしも国民一人一人が豊かであることを意味しない、という状況が浮かび上がってくる。
ちなみに、日本の2050年における1人当たりGDPは、67千ドルと想定されている。これは現在(34千ドル)のほぼ倍の水準だけに、それだけみると、日本にとって優雅な未来像が期待できるようにみえるが、2050年というと、日本の人口が現在の1億27百万人から1億人にまで減少するときである。一般に、GDPは人口の伸びに大きく左右されるため、人口が減る中で1人当たりGDPを現在の2倍にまで増やすということは、生産性をそれに合わせて向上させる必要がある。具体的には、人口が現在より27百万人減る一方、GDPというパイは現在の1.6倍程度*まで増やさなければならない。
ここ数年、デフレ経済の進展により日本の名目GDPは500兆円前後で伸び悩んでいる。こうした状況を考えると、為替レートが極端に円高にならない限り、GDPを大きく伸ばすことは容易ではないと思われる。人間、どこまでいっても、努力しないで豊かになることはできないということであろう。
*(67千ドルx 100百万人)/(34千ドルx 127百万人)=1.6
投稿者:常務理事 高橋節郎|投稿日:2004年08月03日|
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