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- 常務理事 高橋節郎
- No.0306
「地域デビュー」して気がついたこと
今年4月より、私は地元の自治会で、約200世帯からなる班の班長に選ばれることになった。私が所属する自治会は、最小単位が「隣保」で、「隣保」の集合体が班、6つの班が集まって総勢約700世帯から構成されている。
班長の仕事としては、まず毎月2回発行される「広報浜松」の配布がある。700部の中から私が所属する班用に200部を取り出した上、世帯数に応じて10の隣保に振り分け、当日中に各隣保長宅に届ける。しかも、「広報浜松」に併せて、市議会、区役所、学校、医療、趣味、スポーツ、神社関連など幅広い分野にわたる印刷物やチラシも配布する必要があり、1回の作業で15種類程度の回覧物を仕分けなければならない大変手間のかかる作業である。
この他に「訃報のお知らせ」の回覧がある。訃報という性格上いつ発生するかわからないため、班長在任期間中は家を空けることもままならない。また、班長会は毎月1回開催。さらに、班長は自主防災の役員も兼ねているため、その会合や練習のために休日が割かれることになる。「地域の祭り」や地元の神社に関しても、班長は重要な役割を担っている。
このように班長は仕事量が多く、時間的にも制約されることから、その候補者選びに際しては大変苦労する。今年度は、たまたま私の所属する隣保内から選出する順番に当たっていたところ、私が昨年隣保長だったこともあり、私が班長を決める役回りとなった。そのための会議を隣保内で開いたが、各人が班長をできない言い訳を次々に語り始めたため、消去法的に私がやらざるを得なくなった。
もともと私はこの地域の出身者であるが、社会人となってからは転勤族のためほとんど住んだことがなく、地域の行事にも参加したことがなかったため、今回が初めて本格的な「地域デビュー」となったわけである。地域デビューをして気づいたことは、まず、自治会活動への取組姿勢が人によって温度差の激しいこと。総じて、若年層は関心が薄く、ましてや一人住まいの住人においては、ゴミ出し以外に地域との接点はほとんどないといえる。また、会社組織と異なり、自治会の会長や班長は、特別な権限を持っているわけではないため、意思決定を下すことが非常に難しい。地域で何かを決めようとする時、それによって得をする人がいる一方、損をする人も出てくるのが普通であり、実際の運営に際しては、不利益を被る人々に納得してもらうことはきわめて難しい。そんなときに大切なことは、各人のボランティア精神に訴えることと、「地域のために」、「地域のことは地域の住人が決める」という住民自治の高邁な理念に訴えかけるしかない。
自治会活動というのは、ほとんどが無償の行為であるため、今回の地域デビューを通じて、地域の暮らしが如何に住民のボランティア精神や自発的な活動に支えられているかを痛感した次第である。長寿化が進展する現在、定年後を地域で過ごす時間はますます長くなっている。我々の老後を充実したものとするためにも、地域と如何に共生していくかが問われる時代である。そのため、私もここ数年地域との接点を持とうと考えてはいたが、行動に移すきっかけがつかめず、結局何もできなかったというのが実情である。今回、期せずして班長という役回りが与えられたことで、否が応でも地域との関係を持たざるを得なくなったわけだが、結果的にスムーズに「地域デビュー」することができた、ということで前向きにとらえることにしている今日この頃である。
投稿者:常務理事 高橋節郎|投稿日:2009年05月21日|コメントを書き込む
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