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  • 研究部担当部長 山田慎也
  • No.0329

今年の最重要課題は、雇用安定

 2010年がスタートしたが、今年の最重要課題は、なんといっても雇用安定だ。鉱工業生産指数など一部の指標で回復の兆しがみられるが、全国の失業率は昨年7月には過去最悪の5.7%を記録し、その後も5%台と高水準で推移している。静岡県も例外ではなく、というよりも全国よりも雇用環境は厳しく、有効求人倍率は、昨年には、昭和38年の調査開始以来、初めて全国水準を下回り、7月には0.38倍と過去最低を記録した。こうした最悪の状況にある雇用が安定しないと消費回復、そして経済回復はありえず、ゆえに今年の最重要課題といえるのだ。

 では、どのような対策を打つべきか。まず、短期的な方策として、職を失った非正規労働者などの再就職支援(生活支援を含む)を継続することはもちろんだが、雇用調整助成金の活用や自治体などによる直接・間接雇用、さらには労働者の余剰・不足を生じている企業間での一時出向など、緊急避難的な雇用捻出・調整によって、少しでも失業者を発生させないようにすることが第一だ。また、今年の新卒の就職状況は非常に厳しいと聞く。学生と採用意欲のある中小企業とのマッチングや新卒偏重の採用方法の見直しなどで、学卒フリーターを増やさないことも重要だろう。

 さらに、長期的な視点も忘れてはならない。静岡県は、輸送用機器などの強い製造業によって支えられ発展してきた。こうした産業構造から雇用を考えたとき、正規労働者以外のフレキシブルな雇用形態は必要である。現在、製造派遣の禁止が議論されているが、本来は派遣制度も含めた非正規労働者の諸問題を改善することで、労働者の雇用と企業の活力を守り・向上させる発想が大切だ。将来的には、流動性(正規雇用以外の多様な働き方)と安定性(充実したセーフティーネット)を兼ね備え、かつ、労働者の長期的なキャリア形成が可能となる新しい雇用システムの構築を目指すべきだろう。

 それを実現する仕組みとして、例えば、非正規社員を含めた労働者ごとの能力・キャリア管理、正規と非正規の中間の雇用形態の創出、公的制度をベースとしつつも民間ビジネスも一翼を担う転職サポート産業の創造などが考えられる。そして、これらの仕組みを、国ではなく、産業構造や立地企業の特性を把握している地域(地方自治体や地元の商工団体・主要企業など)が主導して行うほうが実効性が高いと思われる。今こそ、地域ならではの“不況耐久力がある雇用安定システム”の構築が求められている。

投稿者:研究部担当部長 山田慎也|投稿日:2010年01月05日|コメントを書き込む

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