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- 特任部長 内野孝宏
- No.0159
地方空港の着陸料
地方空港の利便性や競争力を高めていくためには、より多くの就航先に、より多くの便を飛ばすことが必要である。それには、少しでも多くの航空需要を開拓していくことと同時に、航空会社にとってコストとなる空港着陸料の引き下げも、「選ばれる空港」へのひとつの鍵を握るといわれている。
この空港着陸料については、その言葉自体が一般には馴染みがないと思われるが、これは、滑走路使用の対価として航空会社から徴収するもので、たとえば、電源・消防・保安関係等々の面で空港を維持・管理し、飛行機を定時かつ安全に飛ばしていくための収入源のひとつとなっている。「静岡空港」のように、静岡県が設置し、管理・運営する「第3種空港」の場合は、静岡県が徴収することとなる。
その着陸料で、よく言われるのが、日本の空港着陸料の高さである。着陸料の料金体系はやや複雑だが、基本は、国内線と国際線を区別した上で、機材(飛行機)の重量と騒音の大きさ、及び乗客数に比例する。2005年版の「数字でみる空港」(航空振興財団)によると、たとえば、B747(430席)ジャンボの場合、国際線の旅客一人当たりの着陸料は、成田が3,150円、関空が2,743円に対して、先頃、開港した中部国際空港が2,178円と低く設定したものの、ニューヨークの1,682円、パリの1,277円、ロンドンの380円を大きく上回っている(※ただし、旅客が支払う「旅客サービス施設使用料」などを加えた空港全体の利用料金は、欧米の空港の方が高くなっている)。
成田については、国際ハブ空港としての主導権争いもあり、今年6月に、2割程度の着陸料の値下げ申請を行ったが、それでも、香港の1,219円、シンガポールが741円、ソウルが1,177円など、近隣のアジアの空港に比べ、依然、割高水準である。これは、建設コストや地価の高さ等によるところが大きいようだが、では、静岡空港のような地方空港の場合はどうだろうか?
国土交通相が管理する地方の基幹空港(新千歳、福岡などの「第2種A」)については、羽田のような「第1種空港」の2/3が基準となっているが、地方公共団体が管理する地方空港(「第2種B」及び「第3種空港」)については、そこからさらに独自に引き下げることができるようになっている。先日、視察したある第3種空港の担当者の話では、「新規路線や需要の安定しない路線などは、羽田の2/3からさらに引き下げているが、それは、どの地方空港もほぼ同じだろう」とのことであった。
したがって、静岡空港が他の地方空港との競争を勝ち抜くためには、すでに、どの地方空港も着陸料の値下げが恒常的に行なわれていることを前提に、航空系、非航空系をあわせた空港経営全体のコスト引き下げ等のシミュレーションを検討していくことが求められるものと思われる。と同時に、需要が不安定な路線については、いかに安定させていくかといった需要創造が、やはり大きな鍵を握ることとなろう。
投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2005年07月01日|
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