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  • 特任部長 内野孝宏
  • No.0145

空港需要創出へのビジネスモデル構築を

 土地収用法の適用により、「静岡空港」の開港予定が2008年に延期された。当初計画時に比べ3年の遅れ、中部国際空港の開港にも後れを取ることになってしまったが、これを十分な準備期間ができたものと前向きに捉え、静岡空港の需要拡大や利活用の仕方について具体的な検討に入るべきではないかと考える。たとえば、需要予測についての賛否ばかりを唱えるのでなく、どのようにしたら利用客を拡大できるかを検討することが大事であると思われるので、ひとつのアイデアをここに提示してみたい。

 飛行機を利用するには、今のところ定期便かチャーター便のいずれかの選択しかない。定期便は、航空会社が「こういう時間に、こういう場所へ飛ぶ便を組んだので、乗りたい人は集まってください」という既製品方式である。一方、チャーター便は、旅行会社などの利用側が主催者となり、「飛行機を利用してある場所へこういう目的で行きますが、行きたい人は集まってください。人数が集まれば、飛行機を準備してもらいます」というオーダーメイド方式である。

 ただ、この2つの「やり方」では、航空需要の機会損失が発生する。つまり、定期便の場合、「この場所に、この時間までに移動したいのだが、その時間に合う飛行機がないので、その空港での利用はやめよう」ということになるし、チャーター便の場合、「予定人数が集まらないと予想されるものは企画しない」ため、少数派の航空需要を最初から削除しているからである。それらをインターネット上で幅広く需要をかき集めることで、採算に見合う航空需要にできないかということである。

 たとえば、「行き先の空港別に、およそ何時までに到着したい人」を、掲示板で募集するのである。つまり、チャーター便のように「視察・観光ツアー」といった企画や目的を前提とするのでなく、また、航空会社が運行を決める定期便と違い不特定の利用者が「いつでも、どこへでも、飛行機を飛ばす」ことのできるオン・ディマンド方式にするのである。自治体関係者はもちろん、外資系企業や進出企業、県内に立地する主だった企業、旅行会社に、ビジネス需要や旅行需要の入力をお願いし、インターネットの共同購入のように、何人以上なら割引価格とすれば、需要も喚起されるのではないだろうか。

 ただし、これには制約条件がある。ひとつは、必要人数に達しない場合、「取り止め」となることである。したがって、フライト日の数日前が募集期限になろう。もうひとつは、大型機を飛ばすだけの需要は集まらない可能性もあるので、100人以下の小型機を確保できる体制が整えられるかどうかである。そのためには、航空会社がどの程度チャーターに対応できるのか、あるいは、空港経営の努力(コストダウン)によって、航空運賃の値下げがどの程度できるかなどを研究していく必要があろう。

 以上は、単なるアイデアとしての例に過ぎないが、開港してから静岡空港の利活用策を検討するのでは遅いのではないだろうか。県民の知恵を結集し、需要拡大のためのビジネスモデルの構築など、具体的な準備を進めなければならない時期がすでに来ているものと思われる。

投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2005年03月18日|

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