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  • 特任部長 内野孝宏
  • No.0132

変革する生鮮品流通の中で、問われる卸売市場の機能

 今6月、卸売市場法が改正された。主な改正内容は、商物一致原則の緩和、取引形態の多様化の推進、卸売市場活動の広域化である。

 すなわち、今までは、卸売市場内に現物(青果物・水産物)を必ず搬入することと、卸売業者や仲卸業者などの市場関係者は、市場内の業者間だけで取引を行うことを原則としてきたが、今後は、市場の外に倉庫や配送施設を展開できることや、たとえば卸売業者は仲卸だけでなく市場外の大手小売業に直接販売したり、仲卸業者も直接産地から商品を仕入れることができるようになる。
 それに伴い、取引形態も、セリ取引、受託集荷、委託販売から買付集荷や相対取引が積極的にできるようなるため、卸売業者と仲卸業者の垣根が崩壊していくことが予想されている。

 これまで、生鮮品というのは、生産が天候などの自然条件に左右される一方で、流通については鮮度が要求されることから、生産したもの全てをセリにかけて、売れ残りが出ないよう完売していくことが義務づけられるなど、生産者本位の法制度となっていた。また、鮮度を落とさないために、地域ごとに適切な数の卸売市場を設置するなど、各地域ごとに生産から販売までの流通をなるべく完結させるようにしてきたのである。

 しかしながら、こうした「生産者」のための法制度は形骸化してきている。流通の川下である小売業において、魚屋や八百屋などの業種別専業店の衰退が進み、スーパーやショッピングセンターなどの業態店や外食産業などが勢力を増す一方、川上である農協など出荷団体が合併等による大型化が進んでいるため、川中に位置する卸売業は、量の安定確保と多品目の品揃えが求められており、セリによる個別の値決めは、こうした流通の要望に即さなくなっているからである。

 また、農協などの出荷団体も、常に安定した量を確保したい量販店など、比較的高値で取引してくれる卸売市場へと出荷先を絞り込む方向にあり、生鮮品の流通は品目ごとに特定の卸売市場に集中するようになってきている。それに伴い、不足する品目については他の卸売市場から調達するなど、卸売市場相互間の「転送」が増加しつつあると言われている。

 卸売市場は、市場外流通の増加等により取扱数量が減少する中で、こうした出荷先の絞込みにより市場間格差が拡大するなど、大きな転換期にあるといえる。今回の法改正は、すでに起きている農産物の流通変化の動きに追随したものに過ぎないと見る向きが多いが、今後は、生産者にとってマーケティング戦略が一段と求められるとともに、卸売業者にとっても、品目ごとの特定の卸売市場への集中と小売業における業態店の伸長が進む中で、いかに品揃えを確保していくかが重要な課題となる。そうした中で、卸売市場のあり方や機能などが改めて問われていくこととなろう。

投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2004年12月15日|

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