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- 特任部長 内野孝宏
- No.0082
実用化への期待高まる「燃料電池」
新エネルギーには、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電等々があるが、なかでも、実用化への期待が高まりつつある「燃料電池」に注目してみたい。
静岡県の「しずおか新エネルギー等導入戦略プラン」における新エネルギーの導入目標をみると、2010年度における県内の最終エネルギー消費量(原油換算による目標値)1,197万klのうち32万klで、その割合は5%と低いものの、2001年度の同2.2%に比べて2倍以上の導入目標となっている。また、燃料電池については、2001年度の200kwから2010年度は7万kwへ、燃料電池を利用したクリーンエネルギー自動車は、2,500台から77,000台へと大きく増加する見通しとなっている。
燃料電池のメカニズムは、水を電気で水素と酸素に分解する逆の仕組みであり、水素を原料として、酸素と反応させることによって生じる電気エネルギーを得ることである。現在開催中のモーターショーも、最新技術の目玉のひとつが燃料電池であるなど、現状では、自動車や携帯用の家電製品等への応用が有力視されている。そして、その実用化の鍵は、水素をいかに安全に効率よく供給するかの技術開発にあると言われている。
たとえば、水素を効率よく貯蔵したり、持ち運んだりする技術であり、すでに開発されているのは、水素吸蔵合金と呼ばれる金属新素材に水素を吸着させたり、水素に高圧をかけて圧縮して運ぶ技術である。しかしながら、吸蔵合金というのはたとえば自動車がある程度の距離を走行するにはかなりの重さになることや、高圧圧縮に必要なガスボンベも嵩張るなどの難点がある。
北海道のある中小企業では、大学との産学共同研究で、水素を含むある液体として運び、そこから水素を効率よく取り出す技術を開発するなどにより、こうした難点を解決している。普通自動車の1回の給油分に相当する走行距離400?500kmに必要な水素吸蔵合金タンクは重さ約500?で、容積も場合によって200リットルにもなるが、当社の開発した技術による容器は、重さ100?程度、容積も半分以下となる。
燃料電池は、二酸化炭素を排出しない「地球にやさしい」発電システムとして、また、集中型でなくリスク管理のできる分散型電源システムとして、さらには、実用化に最も近い新エネルギーとして、重要な位置を占めていくものと思われる。と同時に、ここで紹介した中小企業にみられるような技術開発への取組みが広く進むことで、関連機器の製造や部品の生産にも繋がるなど、新産業の創出に期待したい。
投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2003年10月29日|
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