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  • 特任部長 内野孝宏
  • No.0055

オンリーワン企業の共通点

 受託調査の仕事として、この1月?3月にかけて、「中小企業創造活動促進法」に基づき事業認定を受けた企業を30社程度、取材訪問させていただく機会を得た。認定の対象となる事業とは、「著しい新規性を有する技術に関する研究開発」であり、認定を受けた企業は、いわゆるオンリーワンを目指す企業である。静岡県では平成14年12月末までに、事業件数ベースで629件、企業数ベースでは555社が認定を受けた。

 この件数は、実に全国第4位の認定数を誇るもので、全国有数のモノづくり県「静岡」の強さをあらためて示すものであると同時に、こうした研究開発型の中小企業が全国に比べきわめて多いことは、中国の追い上げなどを考えた場合、今後の静岡県経済・産業にとっても明るい材料といえる。この研究開発型のオンリーワン企業への取材を通じて感じた共通点があったので、参考までに紹介してみたい。

 第1に、熱意とバイタリティに溢れていることである。どの社長も「自分の会社を将来こうしたい」と熱く語ってくれた。こちらが1つ質問すると、それに関連した話を10も20も答えてくれた。会社をこうしたいとの説得性あるビジョンがあるから、従業員のモチベーションも高まり、また、顧客も納得・安心してその会社の商品やサービスを購入するのではないだろうか。

 第2に、柔軟性の高いことである。認定を受けた事業そのものは、その後の経営環境の変化の中でストップを余儀なくされているものも散見された。しかしながら、その時に培ったノウハウを活かし、次の事業展開に活かしている企業が多い。たとえば、A社は大手からの依頼で新たな製造技術を確立できたにもかかわらず、その大手の都合で中止となってしまった。しかし、そこでとどまることなく、その時の開発に至る取組みを活かし、導電性、耐熱性、高熱伝導性、真円による非摩擦性などの機能性が要求される付加価値の高い超精密部品の比率を高めることができたという。また、B社では、ドライフラワーから始めた乾燥技術をより深化させることで、お茶、もずく、あわび、アロエ等々の食品分野、顆粒剤の製造などの薬品分野、人工腎臓の濾過器などの医療器分野、ウッドプラスチック等の木材分野など、次々と新たな用途開発に成功している。

 第3に、顧客の現場に耳を傾けて、ユーザーと一緒になって問題解決していこうという姿勢が強いことである。たとえば、C社では、大学、大手企業、官公庁等の研究所の研究員を主なユーザーとしているが、その実験・分析ニーズは研究員ごとに千差万別である。研究者が壁にあたった時にどのような解析結果を求めているかを、すぐに現場にかけつけ生の声を聞くなど、フットワークがとても軽い。現場を大事にして、顧客とのコミュニケーションを常に保とうという姿勢が次の研究開発のタネを生むとのことである。

 この他にも学ぶべき点が多々あり、ここでは共通点としての一部を紹介したに過ぎない。研究開発の重要性を改めて認識するとともに、中小企業の逞しさを実感させていただいた次第である。


投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2003年04月16日|

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