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  • 特任部長 内野孝宏
  • No.0016

“カンコウ地”から“ケンコウ地”を目指す伊豆

 観光と健康。一見何の関係もない言葉のようにみえるが、今、伊豆の各観光地では「健康づくり」を誘客の新たな手段として観光振興に取り組む市町村が増えつつある。そのひとつが、厚生労働省が推進し、静岡県が「健康保養地」のモデル地域として指定した伊東市(海岸型)と中伊豆町(森林型)の「健康保養ツアー」である。

 これは、行政やJTB、東急観光など大手旅行会社、医療機関、農林漁業者など地域の関係者が連携して「健康プログラム」を提供するもので、平成12年に取り組んで以来、延べ12回を数えている。たとえば、健康度測定、体力測定などの健康チェックや、ストレッチ、早朝ウォーキング、体操、水中リラクゼーションなどの運動、温泉浴や森林浴、ダイエットに適した健康食、干物づくり・焼き方教室、わさび収穫体験など、地域らしさを活かしつつ健康をテーマとした2泊3日程度のツアー(料金は約3万円)となっている。

 温泉といえば、「ゆったりと浸かって日頃の疲れをとる」、「肩凝りや胃腸への効能がある」などの漠然とした健康へのイメージを誰もが持っているが、このツアーでは温泉療法士やインストラクターなどの専門家が講師となり、温泉の効果的な利用法など健康増進の具体的なノウハウを学ぶことができる。参加者の年齢層も、20歳代?80歳代まで幅広く、友人同士や夫婦などのグループ客が中心で、「また是非参加したい」との意見も多く、なかなか好評のようである。

 これまでの伊豆の観光地が主たるターゲットとしてきたのは、「首都圏からの団体客で、一泊二日の宴会旅行」であった。その結果、施設・サービスの展開も、宴会場やみやげ物コーナー、パブ、ゲームコーナーなどのパブリックスペースを広く設けることにより、なるべくお客を館内に留めて館内消費を高める戦略を進めてきた。しかしながら、旅行ニーズが非常に個性化し、国内外に競合先となる新たなレジャースポットが次々と登場するなど、どの観光地も厳しさを余儀なくされている。

 現在は、その観光地ならではの魅力づくりを求められており、今回の伊東市や中伊豆町は、健康志向と旅行をマッチングさせつつ、温泉や地場産品など地域らしさをとり入れたことが成功に繋がった。こうした試みは、天城湯ヶ島町でも今3月に「健康温泉祭」で、全国からの誘客に成功しており、今後は伊豆地域全体に健康づくりへの地域的取組みが定着していくことを期待したい。

 もちろん旅行ニーズの中には、私のように昔ながらの「どんちゃん騒ぎ」を求める人もいようが、今後は、個性化する旅行ニーズにいかに幅広いメニューを提供できるかが重要となる。運動不足やお腹の出具合が気になる皆さん!一度、「健康保養ツアー」に参加して、改めて健康の大切さを体験してみてはいかがでしょうか。

投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2002年06月21日|

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