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  • 特任部長 内野孝宏
  • No.0003

eビジネス成功の鍵は「マンパワー」

 先日、いわゆる消費者向けのインターネットビジネスで成功している県内企業を何社か取材する機会を得た。果物小売業、プラモデル製造業、陶器小売業、鰻の蒲焼小売業と様々な業種であったが、そこにはいくつか共通してみられた成功のポイントがあったと思われるので紹介してみたい。

 第1に、自社商品の特性をインターネットで活かしていることである。ここでの特性とは“こだわり、マニア、ファン”等であり、たとえば、果物であれば「どこそこの誰々がつくった糖度何%以上の完熟果物」、プラモデルであれば「専門性の高い工具や塗料などを何十種類も揃える」等を指す。こうした狭く深く消費者の嗜好を絞り込むセグメント化のマーケット戦略が重要になってきているが、ネックは多くの顧客をいかに効率よく集めるかにある。それをインターネットで解消しているのである。

 第2に、顧客が見えないだけに、きめ細かいフォローアップを行っていることである。インターネットビジネスの世界はコンピュータで自動化されたシステムで動いているように見られ勝ちであるが、注文を受けたらクイックレスポンスで「ちょっと気が利いたひと言」を添えるなど、いずれの会社も店頭での対応以上に労力と手間ひまをかけている。機械式のマニュアル対応では顧客は決して満足しないし、うっかりミスでも致命傷につながるためである。星の数ほどあるサイトの中でアクセスしてもらえるかどうかは、意外と口コミによる評判が鍵を握っているという。

 第3に、商品の良さを顧客と共感したいとの非常に強い熱意が感じられたことである。これはという情報を掴めば仕事の合間を縫って徹夜してでも現地へ飛ぶ。果物ならば栽培方法・状況などを生産農家で直接確かめる。風合いが素晴らしく使い込むほどに味わいが深まる陶器だから、窯元の歴史や由来、陶工、土の成分等々を徹底的に調べて消費者に伝えていく。永年の研究努力でようやく完成した「鰻のうまみを閉じ込める調理法」で一人でも多くの人においしく食べてもらいたいなどである。こうした熱意と行動をとっているからこそ、気の利いた「ひと言」も自然に添えることができている。

 経済産業省が先日発表した「平成13年度電子商取引に関する市場規模・実態調査」によると、2001年のBtoC(消費者向け電子商取引)の市場規模は1兆4840億円で前年比80%増と引き続き高い伸びを示したが、今回の取材でこうしたマンパワーを中心とするきわめて地道な中小企業の経営努力が支えていることを垣間見た想いがする。ただ、マンパワーだけでインターネットビジネスを拡大していくには自ずと限界があり、これまでの経験則では月商300万円がひとつの壁になるという。熱意や情熱をいかにシステム的に提供できるか、人間性と効率性をいかに両立して提供していくかが、今後一段と成長していくための鍵を握っているものと思われる。


投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2002年04月15日|

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