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  • 特任部長 内野孝宏
  • No.0198

広がる農産物輸出の動き

 農産物輸出の動きが全国的な広がりをみせている。青森県のりんご、島根県のコメ、福岡県のいちご、鳥取県と新潟県のナシ、北海道のナガイモ等々である。たとえば、青森県のりんごなどは台湾市場を中心に開拓が進み、2000年に2,160トン程度の輸出であったものが2003年には15,658トンにまで急増している。

 この他、テスト輸出の取組みを始めているところも多い。岡山県のピオーネや切花、静岡県のお茶やメロンもそうである。日系企業の進出などが著しい中国(上海)など、現地の百貨店、量販店・スーパー、レストランでの試食会や、アンテナショップの出店、バイヤーを集めての商談会など、現地での市場調査や販促活動に力を入れ始めている。お茶などは、たんに輸出するだけでなくドイツの現地に「お茶室」を設営してしまうなど、茶文化の普及から取組んでいる。

 こうした輸出急増の背景には日本食ブームがあり、輸出先も欧米からアジアまで世界的な広がりをみせているが、中でも、著しい伸びをみせている先としては、日本の農産物は「一級品」との評価が高まっている台湾がある。つまり、青森りんごの急増をみても、一般家庭において「ちょっとした贅沢品」を購入するだけの消費マーケットとして成長しているからであろう。ただ、台湾などは親日派が多くて輸出しやすい条件にあるため、日本各地からの輸出攻勢による産地間競争激化の様相を呈しつつあるとも言われている。

 先日、ある調査で福岡県を訪問したが、福岡県では県知事自らが先頭に立って農産物輸出に力を入れており、担当者がノルマのきついことを嘆いていた。平成20年の目標金額は20億円であり、平成17年の6億円に比べ、3年間で3倍超の増加を目指しているからだ。具体的には、「福岡の食輸出促進センター」という専門組織を福岡県農政部内に設立、台北市での「福岡県フードフェア」の実施、全県統一の「福岡ブランドマーク」をポスターや商品のラベルに使用、海外バイヤーの福岡県への招聘などの取り組みを行っている。

 静岡県のお茶などもその例であるが、以前はかなり輸出実績があった農産物が多かった。それが円高の定着などに伴いストップせざるを得ない状況となったものの、ここにきて国内での産地間競争が激化や量販店ルート拡大の中での価格競争に巻き込まれるよりも、経済発展による高級品の売れ行きが好調な海外マーケットの成長を狙って、再び農産物輸出の動きが広がっているといえる。

投稿者:特任部長 内野孝宏|投稿日:2006年08月04日|

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