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- 企画部長 岸本高昌
- No.0070
望まれるのはデフレを『当たり前』ととらえる企業経営
日本経済は、最近時の株価上昇や一部経済指標の改善などから、やや明るさを感じ始めてきているような雰囲気が漂っているが、景気の足を引っ張り続けているデフレの状況は、日銀の量的緩和政策が強力に進められているにもかかわらず、基本的な情勢に変化は見られない。具体的には、全国の消費者物価(除く生鮮食品)は、3月△0.6%、4月△0.4%、5月△0.4%と、マイナス基調が続いている。
今年5月に、当所が静岡県内企業を対象に行った調査によれば、約75%の企業が一般物価のデフレは企業経営に悪影響を及ぼしていると回答している。具体的に感じている事柄としては、「販売・受注単価の下落により売上減少」が75.2%で最も多く、続いて、「取引先の業績不振」56.6%となった。質問項目の中には、仕入コストや人件費などのコスト引き下げが難しい点や、借入れ負担が高まるといった財務面の影響も含まれていたが、デフレが売上減少を生んでいる状況に強い危機感が示された。
日本銀行の7月の「金融経済月報」によれば、国内企業物価は下落が続く可能性が高く、消費者物価も前年比で現状程度の小幅な下落が続くと予想している。当所の調査においても、一般物価のデフレは中長期的なトレンドとして続くと見る向きが過半数を超えている。
デフレの対応として、企業側では借入金の圧縮や設備投資の抑制などの財務体質の強化に積極的に取り組んでいるが、それ以上に注力しているのが、需要を喚起するための魅力的な商品・サービスづくりであった。かつて、プラザ合意によって円高が急速に進んだとき、円高はいつ収束するのかといったことが話題になったが、今は円高が当り前の時代となっているように、デフレないしディスインフレ(物価は上昇しているものの、物価上昇率が減少する状態)が当り前となっている時代が遅からず来るのかもしれない。デフレへの対応を一時的なものとするのではなく通常の経営方針として行っていくことが必要なのかもしれない。
投稿者:企画部長 岸本高昌|投稿日:2003年07月25日|
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