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研究部副部長 望月毅 のコラム

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0330

プチ自給自足生活、一歩?前進

 ごみの減量化を兼ねて、段ボールコンポストで園芸に使う堆肥を作っている。おがくずを基材として土と米ぬかを混ぜて段ボール箱に入れ、野菜くずなど生ごみを投入すると、土壌菌の働きで夏場なら生ごみは1~2日で跡形もなくなる。納豆や麹と同じ「好気発酵」によるため、よく攪拌して細菌に酸素をたくさん供給しなければならないが、具合が良いと温度が上がり湯気がもうもうと立ち上って、ある種、ペットを育てる感覚で愛着もわいてくる。
 発酵促進のため米ぬかや使用済みの天ぷら油などを加えれば、たちどころに50~60度まで温度が上昇し、「細菌たちが働いているんだ」と実感できたが、暖かい静岡でも、さすがに冬のベランダでは発酵が鈍り、さっぱり生ごみが分解されなくなってしまった。
 どうやら春までは、生ごみの投入をやめて寝かせておくしかないようだ。

 冬は、ベランダ菜園も暇になる。玉ねぎやニンニクの収穫は5月ころで、今は世話をする必要がなく、春菊、茎ブロッコリーは穫れるが、育ちが遅い。何より、寒くて外に出たくない。段ボールコンポストも休止中だし、春からの栽培プランを頭の中で描くくらいしか楽しみがなくなってしまった。
 プランターを3つ増やして………ミニトマトとキュウリとナスの苗を2本ずつ植えて………まてよ………うまくいってキュウリが穫れすぎたらどうしよう………
暇な時の妄想はとどまることを知らない。頭の中は、山盛りのキュウリでいっぱいになる。毎日モロキュウでは飽きるし、さて、おいしく、たくさん食べるにはどうするべきか…気の早い悩みを解決したのは、コンポストに使った「ぬか」であった。ぬか漬けは、立ち上げに手間がかかり、維持が難しいといわれるが、肥料作りでぬかに触れただけなのに変な自信があり、市販の「ぬか漬けの素」に頼らず生の米ぬかと塩で一から自作しようと思い立ってしまった。

 100円ショップの食パン用プラスチック容器(容量4.2リットル)、お米屋さんの生ぬか1.5kgは90円、粗塩はたくさん入って80円+鷹の爪+昆布片の計300円弱で一式そろえ、ブロッコリーの葉や芽キャベツの葉を「捨て漬け」すること1週間、若い「ぬか床」ができ始めた。ぬか床の塩分が浸透圧で野菜の細胞内部に入ると栄養分や水分が外に出て、それを食べた乳酸菌の出す乳酸が野菜に浸み込み酸味を伴う旨味がでる仕組みで、年期の入ったぬか床ほどおいしい漬物ができるのは、野菜のエキスがたくさん溶け込んでいるからとも聞く。
 ワイン、ヨーグルト、キムチと同じく、基本的には「嫌気発酵」だが、ぬか床には嫌気性の乳酸菌や酪酸菌と、好気性の酵母菌が共存。適度な状態を保つため、夏は1日2回、冬は1回かき混ぜる作業が求められ、これが面倒で続かず、ダメにしてしまうことが多いらしい。しかし、かき混ぜというより、酵母菌が繁殖した表面部分をげんこつで押し込んで、その圧力で下の乳酸菌が住むぬかが表層に来るようにすれば良いので、慣れれば20秒も掛からず、また、冷蔵庫に入れれば数日間はかき混ぜ不要と、実際は作業負担は小さいし手もそれほど汚れない。

 ぬかに漬けるとビタミンB群の含有量が生の野菜に比べて3倍から10倍以上に増加し、また、加熱しないためビタミンAやCが歩留まることから、「ぬか漬けは優れた健康食品」といわれる。さらに、水分が抜けることで、生で食べるより多くの野菜が食べられるため栄養分とともに植物繊維もより多くとれるなど、長所が多い自然食品である。
 ただ、自分はそこまで考えているわけではなく、単純に漬物のおいしさに満足している。ガーデニング、家庭菜園から始まり、肥料作りに広がった趣味。エコでも温暖化防止でも家計節約でもなく、ただおもしろそうだから真似しようと思う「昔の日本人の普通の生活」?このささやかな「自給自足」ごっこに、またひとつ、毎日の「ぬか漬け」という楽しみが加わった。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2010年01月18日|コメントを読む(2)コメントを書き込む

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0311

ベランダ菜園 味は及第、カタチは赤点

 不景気の時には野菜の苗・種がよく売れる。不況の震源地アメリカでは、今年度の売上が前年比+2~3割アップしそうな大手種苗会社も多いという。日本でも、家計を助けるために食材を自家調達しようと「家庭菜園」を始める人が多いらしく、野菜栽培の日記をつづったブログもたくさん検索できる。
 不景気がきっかけでなく、純粋な趣味として野菜を育てている人もいて、野菜をあまり食べない私も、ベランダガーデニングの一環で野菜づくりに挑戦。陽あたりの悪い畳1.5帖ほどの狭いベランダ、観葉植物の隙間に置いたプランターや鉢で、じゃがいも、鷹の爪、シソ、ピーマン、オクラなどを密植している。
 今はミニトマトの収穫がピークで、毎朝10~20個ほど獲れるが、あと2週間はこのペースが続きそう。種は1袋50円、5分の1の量だけ蒔いたため1シーズン分の原価は「10円」だ。これで夏の2ヵ月、毎日食べられる。支柱を立てて脇芽をかき取るくらいしか手をかける必要がなく、水切れに強く、害虫がつきにくく、肥料がほとんどいらないミニトマトは、初心者でもプランターで簡単に育てられ、畑や花壇で育てる「地植え」ならば、もっと収量は多くなる。

 家庭菜園のメリットは数多い。まずは、趣味として、とても楽しい。野菜は成長が早いため日々の変化がわかりやすく、明るくないと育ち具合を確認できないので起床時間が自然と早くなった。天気や気温にも敏感になり、「自然」「季節」を身近に感じるようになる。初心者に失敗はつきものだが、生命力が強いため枯れそうな状態からでも復活させやすいし、失敗を繰り返しながら経験を重ねて何度かチャレンジすると、栽培スキルが次第にアップしていくことを実感できる。
 そして、野菜嫌いでも、自分が作った野菜は自己責任で食べようという気になる。お弁当のミニトマトを残しては妻に叱られていたが、ベランダで獲れたトマトが入るようになってからは、積極的に食べるようになった。一緒に観察しながら育てて食べれば、子どもはみんな野菜が好きになるのではないだろうか。
 また、完全無農薬栽培が可能であり、多くの種類の野菜を通年で輪作するスケジュールをたてて本格的にやれば、安全な完熟した野菜を1年中食卓に並べられ、とにかくコストがかからない。

 わが家のミニトマト、肝心の「味」はというと、スーパーで売られているトマトよりもかなり酸味が強く甘味が少ない「昔のトマトの味」。百円ショップで買った種の袋には記載がなかったが「レジナ」という品種らしく、人気のある「アイコ」「フルティカ」「トマトベリーガーデン」といった品種に比べ糖度が低くて、トマトの原種に近いといわれる素朴な味であった。おいしい甘いミニトマトがたくさん売っている中で、「選んで買って食べたいか」と聞かれると答えに詰まるが、「酸っぱくなければトマトじゃない」という感じで、家族には満足されて(させて?)いる。
 味もさることながら、スーパーで売られているトマトとの一番の違いは、見た目がバラバラなこと。小さいまま完熟したり、今年のように雨が多いと実割れが多くなったりもして、すべての実で大きさ、カタチ、色が違い、店頭で見かけるようなきれいな実には、ほとんど出会えない。もし、スーパーで売られるくらいのサイズにそろえようとしたら、1日200個くらい獲れれば、その中から選別してようやく1パック分20個を集められるかどうかで、残り180個はとても売り物にはならないだろう。こうしてみると、あらためて農家の栽培技術はすごいと感じる。とともに、カタチがそろった見映えのよさを好む消費者の贅沢な志向に合わせて、商品の規格をそろえ、選果をするために、生産者は並々ならない労力やコストをかけているはずで、廃棄ロスもかなりあると思われる。
 ほぼ原価ゼロのわが家のふぞろいなトマトを摘みながら、これよりはるかに立派なのにハネられて店頭に並ばない多くの野菜たちが、ムダに捨てられていないことを祈った。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2009年07月31日|コメントを書き込む

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0297

植物にも「海賊版」の脅威

 サンスベリアは、別名トラの尾と呼ばれるとおり、黄色にフチ取られた細長い剣のような濃い緑色の厚葉に、黄色の斑(ふ)が縞状に入っているポピュラーな観葉植物。7年ほど前に、“○○大辞典”系の情報番組で、「マイナスイオンを放出する」と紹介されて大ブームとなり、セリ値が数倍以上に高騰し、品薄状態が続いた時もあった。しかし、今では人気も落ち着き、100円ショップでもバケツに入れられて売られている。
 育て方は、基本的には「放置プレー」。サボテンと同じく、水のやりすぎが寿命を縮めてしまう。特に、一般家庭で育てる場合、冬季の11月から4月の間は水を一切与えてはならないが、栽培のコツを覚えれば、繁殖力は旺盛だから、「株分け」でどんどんコピーして増やすことが可能で、暖かい地域や温室では冬を気にせず量産できる。これが安価で供給される理由である。
 「株分け」よりも手っ取り早く「葉挿し」でも増殖できる。葉っぱを10センチ位ずつ(適当に)横に切り分けて、砂など培地に挿しておくと、その葉の切れ端から根と芽が出てくる。しかし、不思議なことに、「株分け」では黄色と緑色のトラ模様が引き継がれるのに対し、「葉挿し」ではフチの黄色は消えて緑一色のぼやけた縞しか出ず、ぜんぜんトラの尾に見えなくなってしまう。なんだか、植物の品種改良の難しさの一端を垣間見るような気もする。
 観葉植物の新品種といえば、サトイモ科の「ポトス」で2007年にヨーロッパで賞を獲った“エンジョイ”という選抜品種が、純白の細かい斑入りの縮れた葉で最近人気だ。ポトスも繁殖力が強く、たぶん、一番増やしやすい観葉植物ではないかと思うが、この“エンジョイ”については、品種開発者の権利が法的に保護され、購入した消費者が販売・譲渡目的で増やすことを禁止し、日本国内では、昨年、限られた2軒の生産者にのみ生産が許可されている。

 千葉県の中学生が自宅裏庭のゴミ捨て場で偶然発見した木が結実して広まった「二十世紀梨」はレアケースとして、近代の植物の品種改良、新品種開発には、膨大な労力と長い年月が必要となる。たとえば、最近、静岡県茶業研究センターが開発した「86-7-1」の系統名で呼ばれる茶の新品種の育成出発点は、1986年までさかのぼる。(静岡新聞2009年2月4日夕刊)。
 こうした努力も、農林水産省へ新品種として登録し、登録料を納めなければ、権利は保護されない。2006年、東北のある県で、開発に二十数年をかけたリンゴ2品種などが、農水省に品種登録されながら、わずかな登録料を期限内に納付しなかったため、登録を取り消された事件があった。一度登録が取り消された品種の再登録は不可能であるため、県が県内苗木業者らに新品種の苗木販売を許可し、県内生産者にのみ販売する契約も失効。次世代リンゴとして期待されていた開発品種が県外流出し、ブランドリンゴとして高値で販売されても、法的手続きを取ることはできなくなった。

 農水省への登録のほかにも、国際的なルールがある。果物などの新品種について、国際植物新品種保護連盟(UPOV)で知的財産の概念が導入されており、栽培を行う際、開発者に品種使用料を支払うことが決められている。ところが、この使用料を払わないケースが問題視されている。愛媛県のイチゴ農家が13年を費やして品種改良したイチゴ「レッドパール」などが、ある国で無断で栽培され、別の呼称をつけられて大々的に販売されたうえ、使用料が支払われていない。日本側は、他のイチゴ品種を合わせ3億円強を請求できると考えているが、「高すぎる」と支払いを拒否しているそうだ。
 ハリウッド映画や日本のアニメなど、魅力的なコンテンツは「海賊版」が出やすい。国際的においしいと評判の高品質な日本の果物、米、花などのブランド品種を模倣する海賊版も続々生まれている。

 こうした「海賊版」は、開発力がなくてもできるし、開発費用もかからない。開発者の利益を侵害する海賊版は、それまでの開発努力が報われる機会、開発コストの回収機会さえも奪う犯罪行為である。しかし、優れたブランド品種をただでコピーし、高値で売る“フリーライダー(ただ乗り)”行為が罰せられていないなら、ただ乗りはどんどん増えていくだろう。バスであれば、ただ乗りの乗客ばかりでは運転手は生活できない。新品種開発も、開発者利益が見込めなくなれば、あえて苛酷な新品種競争に身を投じようという研究者、生産者は現れるはずがない。そして、開発の意欲・開発動機が減退していくにしたがい、結果、全世界的に品種開発活動全体が停滞してしまうこととなろう。
 技術立国である日本としては、製造業やアニメなどのコンテンツ産業、そして、農業・バイオ産業でも「知的財産権」、「著作権」をプロテクトすることで、国際競争力を高めていくことがはじめて可能となろう。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2009年02月05日|コメントを書き込む

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0278

メダカとヒドラ

 メダカを飼っている。集合住宅の狭いベランダで、10リットルほどのプラスチックの道具箱を水槽に仕立て、この暑い中、葦簀(よしず)の日陰でメス1匹、オス5匹が元気に泳いでいる。飼い始めて7年ほどで、メダカの寿命は2?3年であるから、3代目、4代目ということになる。繁殖させるのはとても簡単で、春から夏にかけて、ほとんど毎日、水草(ホテイアオイ)の根に卵が産み付けられ、その水草を親水槽から隔離して水につけておくだけで、大量の稚魚が孵化する。ある年には200匹以上の稚魚が大きく育ち、引き取り手に苦労したこともあり、数年に1度、親メダカが10匹以下になると稚魚を育てるようにしている。
 増やさないようにするのもまた簡単で、卵を隔離せず、水草を親水槽に入れたままにしておけば、稚魚はすべて親メダカの生きエサとなってしまう。水槽や池が広ければ逃げる場所が多く、稚魚は生き延びて育っていくが、ベランダの狭い水槽の中では隠れる場所もなく、運がよくて2匹くらい成魚になる年もあるものの、適度なメダカ密度(水1リットル当たり1匹)以上に増えることはまずない。すべての稚魚を育て上げないのはかわいそうにも思えるが、メダカには地域個体群があり、地域の天然種以外の稚魚を川や池へ放流すると遺伝子の混乱を招き、自然破壊につながるため、自分で飼育できる数以上は増やさないのがマナーとされている。

 そして、今年は、親メダカの数がさびしくなったため、数年ぶりに稚魚を育てることにした。気温が20度になった頃から順調に産卵を始め、洗面器に隔離していくと30匹ほどの稚魚が孵化した。小さいうちはエサはそれほど必要なく、水替えもいらないため、時々様子を見てはいたが、風通しのよい日陰に放置して2週間、ある日洗面器を覗くと、1匹もいなくなっていた。水質が悪くなったか、メダカの耐えられる38℃以上に水温が上昇したか、ヤゴや蜘蛛に食べられたか、原因を一つひとつ確かめていったが、思い当たるフシはなく、雨が多い時期だったので吹きかけた雨に流されたのだろうと一人合点して、もう一度、採卵からはじめて1ヵ月、またまた、2日見ないうちに30匹の稚魚が忽然と姿を消した。
 これはおかしいと、洗面器をじっと観察するとヤツがいた。大きさ5ミリのイソギンチャクのような形をした腔腸動物「ヒドラ」だ。細長い毒針を仕組んだ触手で次から次へと稚魚を絡めとり、しかも再生力が強く、どんどん分裂して増殖していく。日本の河川・池沼に広く存在しており、川から採取してきた水草(アナカリス)に付着してきたと思われるが、根絶するためには水槽をリセットし、ホルマリン消毒しなければならないという。幸い、新しいペットボトル水槽で始めた今年3度目の繁殖は順調だが、ヒドラとの初めての遭遇には、なかなか肝を冷やされた。

 このヒドラも、親メダカの水槽では増殖しない。親がヒドラを食べて稚魚を守っているのである。こう考えると、稚魚にとって親メダカは敵か味方かわからなくなる。ただいえることは、自然界では、増えすぎず減りすぎず、微妙なバランスで種の生き残りが長いこと図られてきたわけである。しかし、今では、天然のメダカが減少し、絶滅危惧種に指定されている。経済発展の影で都市開発や水田の減少、温暖化などが、この自然のバランスを崩してきたためである。
 今日も、ベランダ水槽の中では、メダカの排泄物をミジンコやバクテリアが食べたり水草の栄養となり、水草がメダカに酸素を供給し、ミジンコや生き残った稚魚がメダカのエサとなる連鎖が行われている。微生物が定着してくれたおかげでほとんどエサもいらず、水が減ったら水道水を足すだけの小さなベランダのビオトープで、たかがメダカの飼育であるが奥は深く、生き物の世界に関しては、この年になってまだまだ知らないことも多い。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2008年08月12日|コメントを読む(2)コメントを書き込む

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0240

リサイクルはしない方が良い?

 環境問題を背景にアメリカで小売店によるレジ袋配布の規制が始まった。米都市で初めて、サンフランシスコがレジ袋禁止の条例を制定し、布などで作られ繰り返し利用できる袋やリサイクル可能な紙袋などの提供を小売店に義務づけることとなった。
 日本では、すでに数年前から、レジ袋を断わるごとにポイントが貯まるスタンプカードサービスが幅広く導入されるなど、他国に先駆けてレジ袋削減の動きが進められてきた。また、環境省でもマイバッグ(もったいないバッグ)やふろしきを持参してレジ袋を断る運動を呼びかけており、今や、レジ袋削減は、消費者がすぐに取り組める環境保護活動の象徴ともなっている。

 しかし、研究者の間には省資源効果を疑問視する声もある。「リサイクルしてはいけない」、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」などの著者、中部大学の武田邦彦教授は、数多くの著書やホームページ(http://takedanet.com/)で、環境やリサイクルの世界にまかり通る“常識”に、専門家の立場から疑問を投げかけている。
『スーパーの袋というのは石油から作られるが、石油のうちで化学的な原料になるものは少ないけれども、スーパーの袋の原料になるものは余っている』
『なんとか技術を工夫して「せめてスーパーの袋に使って貰いたい」ということで作っているのがレジ袋です。だから、「石油製品の余りもの」をできるだけスーパーのレジ袋に使うのが石油を節約する最も良い方法』
『もしもスーパーの袋がもったいないからといって全部止めてしまえば、その組成の分が余るので石油化学コンビナートでは煙突から煙を出して燃やしてしまうだろう。燃やすぐらいだったらマイバッグよりもスーパーで袋をもらった方が環境に良い』

 分離工学、資源材料工学の第1人者である武田教授は、レジ袋のほかにも、「ペットボトルはリサイクルした方が良いか」、「割り箸は使わない方が良いか」、「地球温暖化によって南極の氷が溶け、海面が上昇するか」といった問に、客観的データを分りやすく解説しながら自身の考えを示しており、その多くは“常識”に対する反論で、読み物としてもとても面白い。
 たとえば、『紙のリサイクルは環境を破壊している』。根拠としては、大手製紙メーカーが「古紙配合率を100%から70%に引き下げると、化石燃料使用量が10%程度減る」と公表している通り、紙のリサイクルには余計な石油・石炭が必要となる。また、紙の原料である樹木は、太陽のエネルギーから常につくられ続けており、太陽電池、風力発電、バイオマスなどと同じく、すぐに枯渇するようなものではない。だから基本的には限りある石油石炭を使って紙をリサイクルするより、自然と育った樹木を使った方が環境に良いという(ただし、武田教授が対象としているのは情報用紙(コピー用紙)から情報用紙へのリサイクルのケースであり、産業古紙などから作る古紙100%の再生トイレットペーパーは、小売価格をみてわかるようにパルプ物よりも低コストで製造され、エネルギー効率的にも優れたリサイクル製品であるといえるのではないだろうか)。

 これまで、リサイクルは環境に絶対的に良いことだと思い込んでいた人にとっては、すぐには信じられない指摘の数々であり、環境保護ブームに乗って、良かれと思ってとっていた行動が、本当に正しかったかと心配になる。真に環境を保全していくためには、製造から使用、廃棄・リサイクルまでの連鎖の中で消費するエネルギーの総量や、使用をやめた場合の環境・生活・経済活動への影響など、大局的な視点から研究し、リサイクル運動を考えていくことが必要であろう。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2007年08月29日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0234

利用者が支えられるか無料プリントサービス

 デジタルカメラと銀塩カメラ(フィルム式カメラ)。国内出荷台数では、平成13年にデジカメが銀塩カメラをはじめて上回った(カメラ映像機器工業会調べ)。翌14年には輸出を含めた総出荷台数でも逆転し、日本でも世界でも、カメラ市場は完全にデジカメ中心になっている。平成18年にはさらに両者の差は開き、デジカメの総出荷台数は7,898万台(前年比+21.9%)と、銀塩カメラ(164万台、前年比△69.6%)の約50倍に達している。

 こうした中、成長市場のパイをめぐり、デジカメの高画素化も急速に進んでいる。画素数区分別の製品出荷シェアをみると、平成11年の中心帯はシェア45.4%の「100万?200万画素」であったが、13年には62.9%が「200万画素以上」、15年には80.6%が「300万画素以上」、16年には66.2%が「400万画素以上」、そして直近19年3月は92.3%が「600万画素以上」となっている。高画素化という画質と、手ブレ防止など機能の向上の一方で、販売シェア競争から低価格化も進行。大手家電量販店では、600万画素級のコンパクトデジカメが1万円台半ばから売られており、携帯電話と同様、もはや、誰でも安価で手に入れられる「持っているのが普通」な電気製品となっている。

 デジカメが急速に普及する中で、さまざまな付帯サービス、ビジネスも誕生してきた。デジカメプリントもその1つで、店頭の機械でセルフサービスでプリントしたり、ネットで注文すると写真を宅配してくれるサービスなどがある。
当然、利用者は料金を支払わなければならないが、この分野も低価格競争が進んできたと思っていたところ、ついに、まったく無料で印画してくれるサービスまで登場した。株式会社アイディアシンクが提供する「Priea(プリア)」というサービスがそれで、ネットで会員登録すれば、1ヶ月当たり30枚のL版写真を無料で印刷・宅配してもらえる。すべての写真に広告が入り、その広告収入によって運営されているために、利用者は一切、料金を支払わなくても良いのである。
利用してみるとL版写真のコーナー部分に小さく広告が入る「ロゴ」タイプと、写真の半分のスペースに広告が入る「ハーフ」タイプ、それぞれ15枚ずつが、注文後5日程度でポストに届けられた。大手ブランドの印画紙にプリントされた写真は、インクジェットプリンタで自前で印刷するよりも格段にきれいで、広告も邪魔にならず、大切な写真はこれまで通りDPEショップに出すとしても、試し撮りや、家族のスナップ、旅行の記録などを気軽に出力するためならば十分なクオリティであった。

 サービス内容には不満はなく、これからも使わせてもらいたいが、心配が1つ、「本当にタダでいいのか?」。印画紙代、現像代、人件費、そして宅配料金、かなりのコストがかかっているはずで、家電販売店や化粧品メーカー、アパレルショップ、ネット関連業者などのスポンサーが、いつまでサポートしてくれてサービスが存続できるか。今後、収入が思うように伸びなければ、利用者もそうそうタダ乗りは続けられないのではないか。
実際、昨年11月に開設された際には、1ヶ月に60枚のプリントが可能であったが、利便性向上のためのバージョンアップを理由に、今年の5月からプリント数を30枚までに半減させている。スポンサーがこれからも広告費を出してくれるように、広告主の商品を(なるべく)購入し、費用対効果を上げていくことが、利用者のできるささやかな応援であり、お礼となるであろうが。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2007年06月07日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0202

育て上手の「緑の手」

 園芸の世界では、花や木を育てるのが上手い人のことを「緑の手」を持った人と呼ぶ。英語にも同じような表現があり“Green Thumb(緑の親指)”という。
 反対に、植物をすぐに枯らしてしまう人は「茶色の手」あるいは「赤い手」を持っているといわれる。手の色や温度が違うわけではなく、植物への接し方、世話の仕方が根本的に違うために、そう呼ばれるのであろう。

 実際、植物の育て方には、その人の特徴がよく表れる。
 花屋で咲いているきれいな鉢を買ってきてしばらくは甲斐甲斐しく世話をするが、次第に興味を失う人。種を蒔くだけ蒔いて存在を忘れてしまう人。こういう人が「茶色の手」の典型であるが、植物好きの中にも手が茶色い人がいる。面倒を見すぎる人、毎日3時間必ず陽に当てるなど、すべて説明書どおりに世話をしなければ気がすまない人である。
 住んでいる地域や、季節、その年の気象状況などによって、植物の育ち方は違うため、マニュアルどおりに世話をしていては、まずうまくいかないことが多い。そして植物にとって一番悪いのが、欲しくもないのに毎日のように水や肥料をかけられ根腐れをおこされてしまうことだ。植物が好きなあまり、良かれと思って面倒を見すぎることが成長を妨げてしまうのである。
 
 幸い、私の手はごく薄いながらも緑色をしているようで、これまで栽培した植物の多くは長持ちしてきた。野菜や果物は難しすぎて挑戦したことはないが、育て方がやさしい夕顔、ヒマワリといった一年草や、ポトス、モンステラ、ウンベラータなどの観葉植物については、葉っぱをみれば、今どんな様子か大体わかり枯らすことはない。植物以外にも、ベランダで飼育しているメダカなども増えすぎて困るくらいだ。しかし、なんと言うことはない、ただ手を抜いて、普段はあまり気にかけず、週に1、2度ハタと気がついたときに世話をしているだけで、結果的に水のやりすぎによる根腐れや、エサのやりすぎによる水質悪化を防いでいるに過ぎず、自慢にもならない。手をかけなければ育たない花や農作物の生育は、もっと難しいことであろう。

 植物やペットでさえ、元気に育てるのは難しいのであるから、子どもを教育したり、企業が人材を育成していくのは、本当に大変なことであるはずだ。だが、大切に育てようとするあまり、手をかけすぎ、口を出しすぎて若者の自主性や本来持っている生命力をそいでしまい、成長を妨げてしまうことのないよう気をつけたいと思う。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2006年08月09日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0189

乗用車販売不振の原因は高品質化?

 株価の上昇、雇用関連統計の好調などを見ても、わが国は一時の不況から脱し、景気浮揚の兆しを確かに感じるようになってきた。個人消費も活発化しており、デジタル家電やブランド衣料品など高額品の販売も好調のようである。ところが、個人消費の代表的な指標である「新車(乗用車)販売台数」が伸び悩み、景気回復の流れから取り残されている。

 全国の状況を見ると、18年3月の登録車新車販売台数は、前年同月に比べ△1.7%減の55万8000台となり、9ヵ月連続で減少している(日本自動車販売協会連合会まとめ)。とくに乗用車は、3ナンバーの普通車が前年同月に比べ△2.8%減、5ナンバーの小型車は同△1.7%減となり、合計で△2.1%のマイナスとなった。静岡県においても、普通車、小型車の合計で6ヵ月連続の前年割れを記録。いまひとつ需要の盛り上がりに展開が続き、これからのボーナス時期の販売も心配されている。

 ただし、軽乗用車は好調で、平成17年は過去最高の販売台数を記録し、18年もプラス基調が続いている。登録車(普通車、小型車)の不振の一方で、軽乗用車が健闘している背景には、
O車両価格が安く経済性が高いこと
Oガソリン価格が高騰する局面で省燃費が注目されたこと
Oデザイン、走行性、居住性などを高めた新型車、改良車の発売が相次いだこと
などがあげられる。
しかし、軽乗用車よりも安く燃費も良いコンパクトカー(小型車)も数多いため、登録車販売の伸び悩みの原因が、軽自動車との競合激化のみとも言い切れない。そこでその「犯人?」とみられているのが、乗用車の「平均車齢」の長期化である。

 現在わが国を走っているすべての乗用車について、新規登録されてからの経過年数を平均した、人間の平均年齢に相当する「平均車齢」は6.77年(平成17年3月)と、13年連続で延び続けている。これは、バブル期の平均約4.5年と比べ2年程度長い水準で、相対的に古い乗用車が増加しており、車の寿命も延びていることを表している。新車の買い替えサイクルも、以前は3から5年(車検の1回目と2回目の間くらい)中心であったものが、最近は5?7年(車検の2回目と3回目の間くらい)以上にまで長くなっている。
 そして、この買い替えサイクルの長期化、同じ車を長く乗り続ける消費者が多くなっている理由としては、長く続いた景気低迷から消費者が新車購入に対して慎重な姿勢をとってきた節約志向の表れもあろうが、長く使っても車が故障せず、買い替えの必要がなくなってきた自動車の「品質向上」による要因が大きいと考えられている。

 家電製品なども同じであるが、故障しない、信頼性の高い、寿命の長い製品を開発すればするほど、消費者がその製品に満足してしまい、次の製品の買い替えまでの期間が長くなり、代替需要が潜在化していく ― 結果的に自分の首を絞めてしまうジレンマ。ただ壊れない“良い物”を作るだけでなく、常に新しい付加価値を創造し、消費者に訴求していかければならない開発者の苦労は、想像を絶するものであろう。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2006年04月12日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0176

レクサス無難な出足

 トヨタ自動車の高級車専用販売チャネル「レクサス」が8月末に開業してから、約2ヵ月が経過。静岡県内にも、静岡市2店舗、浜松市2店舗、沼津市1店舗の5店舗が開店した。県内店舗への客足は好調で、全国的にも、来店客数・受注台数とも、ほぼ期待を裏切らない無難な出足となったようである。
 
 当初発売されたのは、「GS(旧アリスト)」、「SC(旧ソアラ)」の2車種であったが、9月29日までの1ヵ月間の受注状況(全国)は、
    「GS」 4,000台(月販目標1,100台)
    「SC」 600台(同 100台)
となっており、とくにオープンタイプにもなるスポーツカー「SC」の好調さはメーカーにも意外であったようである。
 また、開業から約1ヵ月遅れて9月28日から発売された「IS(旧アルテッツア)」の10月27日までの1ヵ月間の受注台数は
    「IS」 3,500台(月販目標1,800台)
で目標比約2倍と、こちらも順調なスタートとなった。
 
 ただし、こうした順調な受注状況の割には、実際の販売台数(登録台数)は伸び悩んでおり、これまで目標の月間3,000台には届いていない。
 (レクサスブランドの販売台数・全国合計)
    H17/8月 156台 累計 156台
      9月 1,407台 1,563台
      10月 2,985台 4,548台
 これは、高級車であるがために、商談回数や時間がやや長期にわたること、試乗を希望する顧客が多いこと、1台1台の仕様・オプションがオーダーメイドに近くなるため、納車までに2ヵ月程度かかることなどにより、受注と販売のタイムラグが生じており、しかも、そのずれが、当初の想定よりも長時間であったことが原因のようである。
 
 とはいっても、10月のブランド別輸入車販売台数をみると、
 (10月のブランド別販売台数・全国合計)
   1位 フォルクスワーゲン 4,171台(前年同月比+11.3%)
   2位 メルセデスベンツ 2,650台( 同 +6.6%)
   3位 BMW 2,613台( 同 +17.4%)
と、高級車市場でライバルと目される2位メルセデスと3位BMWが前年から数字を伸ばしている状況でもレクサスは2,985台(10月)と上回っており、今後もいい勝負を続けていけそうである。
 「値引きゼロ」、2ヵ月後を想定した下取り車の買い取り価格も「渋め」という強気の販売条件を貫きながら、これまで輸入車に席巻されていた高級車市場に新たな風を起こすレクサスブランドの真価は、最高グレードで1千万円以上となる「LS(旧セルシオ)」が発売される来年に、いよいよ本格発揮される。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2005年11月14日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0164

ユニーク?な訪問販売

 認知症の女性に必要のないリフォーム工事を売りつけるなど、一部の業者による強引な訪問販売が大きな問題となっている。
 日本訪問販売協会によると、「問題性あり」の相談件数の多い商品としては、寝具一般、書籍教材、浄水器、新聞、住宅リフォーム関連、健康食品があげられており、内容としては、強引な『勧誘行為』、業者にとって都合の悪いことを隠す『説明に関する問題』、商品名、社名を告げないで勧誘を始める『誘引に関する問題』、クーリングオフに関する『書面の問題』などがあげられるという。

 新聞、テレビ、インターネットなどで、こうした悪質な訪問販売に関する情報が大量に流され、集合住宅に住むわが家でも、安易に契約することのないよう、警戒していたが、先日、ユニーク?な商品の売り込みに少し驚いた。それは、飲食店の割引券で、販売価格は3千円程度。繁華街に出店した、あるレストランだけで使える、最大5割引となる10枚程度のプリペイドチケットのセットで、すべてを使うと3万円以上の割引となるという説明であった。
 のちに調べてみると、このカードは、
o飲食店の集客のために広告代理店などが企画・製作・販売する
o飲食店側は、チケットの印刷代や広告料を支払うことはない
o飲食店側は、チケット持参の顧客に最大5割引のサービスを提供するが、原価率のアップ、利幅縮小を補うだけの客数の増加が期待できる(かもしれない)
o有効期間は6ヶ月程度で、1、2千セット程度が作られる
o基本的には、飲食店の近隣商圏の個人、法人などへの訪問販売のみで、販売員は1枚当たり定額の販売マージンを手にする
 といったシステムで、日本では首都圏を中心に10年以上の歴史があるという。

 購入者としては、7千円の飲食代が3千5百円になれば、チケット代3千円のもとは取れる勘定になるから、その飲食店の味さえ気に入れば、損はないように思えるが、私には、行ったことのないレストランの前売り券を買う冒険心はなかった。「3千円で最大3万円の割引」も、1つの店で半年の間に6から7万円も外食に使うはずのない私には、絵空事であった。
 結局、2人組の若い販売員にはお引取りいただいたが、この後も何軒も回り、運がよければ、グループで外食するのが趣味といった格好の対象者に出会うであろう。商圏を絞って、重点的にローラー作戦で跳び込み訪問する売り方は、他の販拡手法と比べ、短期に効果が期待できるが、訪問販売に対する警戒感や食品の安全性に敏感になっている現状では、やや苦戦するのも仕方がないかもしれないと感じた。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2005年08月12日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0061

県内企業 株価は健闘?

 静岡県は昨年度、即時性の高い景気指標の1つとして、静岡県内上場企業と県外からの進出企業の株価を用いた「静岡県産業インデックス」を作成し、指数の変化を東証TOPIXと比較した。その結果、過去およそ3年間のTOPIXの下落率が52.7%であったのに対し、静岡県産業インデックスは26.6%の下げに止まった。
 静岡県はTOPIX(全国指標)に比べて、都市銀行、電機、情報など、期間中に株価下落率の大きかった業種のシェアが低かったことなどが、パフォーマンスの優位性につながったと考えられている。

 そこで、TOPIXと並んでなじみの深い「日経平均株価」と、静岡県内に本社を置く東証1部上場企業の株価を比較してみた。TOPIXは東証一部上場全企業の時価総額(株価×株式数)を加重平均しているのに対し、「日経平均株価」は、東証一部上場企業225社の株価を単純平均しており、静岡県内26社についても、2000年4月の株価を100として単純平均指数を算出した。

 平成12年4月の日経平均株価は20,727円(100ポイント)であったが、平成15年3月末には7,973円(38.5ポイント)と12,754円も安くなり、下落率は61.5%にも達している。一方、静岡県内26社の平均株価指数は、同100ポイントから77.2ポイントと下がってはいるものの、下落率は日経平均に比べ半分以下の22.8%であった。株価の面では県内企業の相対的な優位性が認められるということができるが、たとえば、日経平均株価に連動するようなファンド(投資信託)と同様な静岡県企業に限定して投資するファンドがあったとしても、この3年間の投資リターンは理論上20%以上のマイナスであったことになる。広く考えると、静岡県の景気は悪いことは悪いが、日本全体の景気が総体的に低迷しているのに比べれば、いくらか「まし」だったということであろう。

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投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2003年05月30日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0049

【SERI経営セミナー】多数のご参加ありがとうございます

 静岡経済研究所では、会員様への情報サービスメニューの1つといたしまして、一流講師によります経営セミナーを開催しております。平成14年度は、従来の年2回から年3回に開催数を増加いたしましたが、多数のご参加をいただきまして誠にありがとうございました。

<第1回>平成14年9月18日
対 象:中堅・中小企業の経営者及び経営幹部の方々
講 師:松井人事研究所 所長 松井健一氏
テ ー マ:「管理者の果たすべき仕事」はこれだ!
ご参加者数:60名

<第2回>平成14年11月13日
対 象:営業、販売、総務、秘書、CS、企画ご担当の方々
講 師:経営コンサルタント 橋本泉氏
テ ー マ:「あなたの会社が絶対一番」といっていただく顧客対応術 5つのヒント
ご参加者数:59名

<第3回>平成15年2月25日
対 象:営業担当者及び営業担当責任者、経営幹部の方々
講 師:インサイトラーニング? 代表 箱田忠昭氏
テ ー マ:必ず売れる!営業折衝力強化実践セミナー
ご参加者数:71名

 いずれも、定員を上回るご参加申し込みをいただき、盛況のうちに開催させていただきました。また、会場スペースの都合上、お申し込みをお断りさせていただいた会員様に対しまして、お詫び申し上げます。

 長引く不況の中、最後に企業の勝ち負けを決するのは人材の質、能力だといわれます。平成15年4月からの新年度には開催回数を年6回と増加いたしまして、会員企業様の人材教育や経営戦略立案のお役に立てますよう、テーマ、講師を厳選し、質の高い講義を低料金(昨年度は維持会員様1名当たり1万2千円、賛助会員様2万4千円でした)で、より多くの会員様にご受講いただけるよう努力いたします。
 セミナーのテーマ等に関するご要望がございましたら、ぜひお寄せください。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2003年03月03日|

  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0008

増加する悪質商法による被害

 不況が長引き、企業や家計が収益悪化に悩まされる中、手っ取り早く多額の現金を手に入れるためであろうか、個人を狙った経済事件が増加、悪質商法による被害が多発している。
 静岡県生活・文化県民生活室のホームページによると、県内9行政センターに寄せられた消費者からの販売方法等に関する相談・苦情件数は、平成10年度5,858件、11年度7,028件、12年度7,726件と増加傾向にあり、13年度上半期も、前年同期比+7.6%増加した。
 特徴的な相談事例としては、空き地などの仮設テントや公民館に人を集め、消費者の競争意識をあおって高額商品を契約させようとする「SF(催眠)商法」、内職や副職の紹介をうたいながら高額品を販売したり手数料を取る「サイドビジネス商法」、無料で床下、屋根などを点検するといって工事契約を迫る「点検商法」などが挙げられている。
 また、健康食品や通信関連機器販売を介したねずみ講まがいのビジネスで被害者が全国に及び、被害総額が数百億円に上るケースも新聞報道されている。

 最近は、とくにIT技術の進歩・普及によってインターネットや携帯電話などをめぐる事件も多発している。
 主に個人間で物品を売買するネットオークションでは、代金を支払ったが物が届かず、相手の居住地も判明しないという事例も多く、商品券、旅行券販売では、数億円規模の被害も報道された。
 携帯電話に関しては、1コールだけかかって切られる「ワンギリ」が横行。着信履歴に残った番号に発信するとダイヤルQ2に似た録音メッセージが流れ、後に、10万円程度の請求書が郵送されるという事例が発生している。これは、2001年5月ごろから発生しているSPAM電話による詐欺といわれている。こちらから番号通知で電話をかけた時点で相手側がこちらの電話番号を知り、それを元に電話で高額の会費を請求するケースもあるようだ。さらに、しつこさや恐怖に負けて資金を送金すると、同様の電話を何度も繰り返され、何度も請求される2次被害も起こっているらしい。

 古典的なものから、コンピュータという文明の利器を駆使した方法まで、さまざまな手口があるが、こうした詐欺まがいの事件から身を守るためには、やはり、自己防衛を心がけることが第一である。うまい話には裏があるはずと用心する。常に個人情報の流出に気をつける。怪しいと思ったら誰かに相談して即決はしないなどである。

 いわゆる悪質商法は、怪しさを隠し、断りにくい心理につけこんで消費者に忍び寄ってくる。そして、誰にも相談できないために、事件発覚が遅れ、全国に被害が蔓延することが多かった。しかし、今では、そうした悪質商法にかかわる情報を瞬時に手に入れることができるようになっている。
 それがインターネットである。新聞報道される数ヶ月前から関係者により注意を促してきたホームページや、悪質業者の特徴、手口を詳報する電子掲示板、電話勧誘に対する相談コーナーなどには、膨大な量の情報がストックされていて、公的な相談機関への連絡方法、解約の仕方も載っており、誰でもアクセス可能だ。これまで丸腰だった消費者が、情報という武器を上手に使うことで、組織的で巧妙な悪質商法に対抗していくことができるようになっている。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2002年05月02日|

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