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- 研究部副部長 望月毅
- No.0234
利用者が支えられるか無料プリントサービス
デジタルカメラと銀塩カメラ(フィルム式カメラ)。国内出荷台数では、平成13年にデジカメが銀塩カメラをはじめて上回った(カメラ映像機器工業会調べ)。翌14年には輸出を含めた総出荷台数でも逆転し、日本でも世界でも、カメラ市場は完全にデジカメ中心になっている。平成18年にはさらに両者の差は開き、デジカメの総出荷台数は7,898万台(前年比+21.9%)と、銀塩カメラ(164万台、前年比△69.6%)の約50倍に達している。
こうした中、成長市場のパイをめぐり、デジカメの高画素化も急速に進んでいる。画素数区分別の製品出荷シェアをみると、平成11年の中心帯はシェア45.4%の「100万?200万画素」であったが、13年には62.9%が「200万画素以上」、15年には80.6%が「300万画素以上」、16年には66.2%が「400万画素以上」、そして直近19年3月は92.3%が「600万画素以上」となっている。高画素化という画質と、手ブレ防止など機能の向上の一方で、販売シェア競争から低価格化も進行。大手家電量販店では、600万画素級のコンパクトデジカメが1万円台半ばから売られており、携帯電話と同様、もはや、誰でも安価で手に入れられる「持っているのが普通」な電気製品となっている。
デジカメが急速に普及する中で、さまざまな付帯サービス、ビジネスも誕生してきた。デジカメプリントもその1つで、店頭の機械でセルフサービスでプリントしたり、ネットで注文すると写真を宅配してくれるサービスなどがある。
当然、利用者は料金を支払わなければならないが、この分野も低価格競争が進んできたと思っていたところ、ついに、まったく無料で印画してくれるサービスまで登場した。株式会社アイディアシンクが提供する「Priea(プリア)」というサービスがそれで、ネットで会員登録すれば、1ヶ月当たり30枚のL版写真を無料で印刷・宅配してもらえる。すべての写真に広告が入り、その広告収入によって運営されているために、利用者は一切、料金を支払わなくても良いのである。
利用してみるとL版写真のコーナー部分に小さく広告が入る「ロゴ」タイプと、写真の半分のスペースに広告が入る「ハーフ」タイプ、それぞれ15枚ずつが、注文後5日程度でポストに届けられた。大手ブランドの印画紙にプリントされた写真は、インクジェットプリンタで自前で印刷するよりも格段にきれいで、広告も邪魔にならず、大切な写真はこれまで通りDPEショップに出すとしても、試し撮りや、家族のスナップ、旅行の記録などを気軽に出力するためならば十分なクオリティであった。
サービス内容には不満はなく、これからも使わせてもらいたいが、心配が1つ、「本当にタダでいいのか?」。印画紙代、現像代、人件費、そして宅配料金、かなりのコストがかかっているはずで、家電販売店や化粧品メーカー、アパレルショップ、ネット関連業者などのスポンサーが、いつまでサポートしてくれてサービスが存続できるか。今後、収入が思うように伸びなければ、利用者もそうそうタダ乗りは続けられないのではないか。
実際、昨年11月に開設された際には、1ヶ月に60枚のプリントが可能であったが、利便性向上のためのバージョンアップを理由に、今年の5月からプリント数を30枚までに半減させている。スポンサーがこれからも広告費を出してくれるように、広告主の商品を(なるべく)購入し、費用対効果を上げていくことが、利用者のできるささやかな応援であり、お礼となるであろうが。
投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2007年06月07日|
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