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  • 主席研究員 望月毅
  • No.71

人口減少に拍車をかける未婚率上昇

平成27年の人口動態をみると、静岡県は▲1万6,860人の減少、都道府県別でワースト4位であった。当所では、以前から本県の人口減少に着目し、状況・要因の分析を重ねている。その中で、全国ワースト2位を2年続けるなど深刻な「社会減少」の中心層が、進学や就職を機に首都圏に流出する18?24歳の若年女性であることが明らかとなった。そこで、本誌8・9月号特集「若年女性の流出問題を考える」では、意識や行動、出身地静岡に対する考え方などについてのアンケート調査を実施、進学時の流出抑制策、就職時の流入促進策、女性に選ばれるまちをつくるための方策等を提言した。
本県では、社会減少もさることながら、自然減少も全国ワースト5位の▲1万1,306人(平成27年)と、大幅なマイナスである。約25年前から女性の流出超過が続いた結果、ここにきて子どもの出生数が大きく落ち込んでいるのだ。また、本県の少子化の原因は、若年女性の流出以外にもある。それは、出生率の低下と未婚率の上昇で、昭和60年に1.85だった合計特殊出生率は1.53(平成25年)まで下がっており、25?29歳女性の未婚率は54.8%(22年)と、半数以上が30歳までに結婚していない。
わが国では、生涯結婚しない人も増えてきた。50歳時の未婚率を「生涯未婚率」と呼ぶが、平成22年国勢調査とその30年前の昭和55年を比較すると、男性は3.9%から20.1%(5.2倍)、女性は4.3%から10.6%(2.5倍)と急上昇している。
実際は、結婚しようと考える人は大きく減少しているわけではない。「出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所、平成27年)」によると、未婚者(18?34歳)のうち、「いずれ結婚するつもり」の回答割合は、男性85.7%、女性89.3%と9割近くに上る。ところが、「交際している異性はいない」、つまり恋人がいない人の割合は、男性69.8%、女性59.1%と、18年前の同調査から男女とも20ポイント程度上昇し、過去最高となっている。こうした状況が改善されなければ、生涯未婚率は推計値(平成47年で男性29.0%、女性19.2%)を上回っていく可能性もある。
「東京在住者の今後の移住に関する意向調査(内閣府、平成26年)」では、東京都から移住する予定または移住を検討したいと思っている人は4割に達する。そして、「移住したいと思ったきっかけ」としては、10・20代女性の39.3%が「結婚」を挙げている。地方創生のために行政や企業は、「結婚」というプライベートな問題にいかに取り組み、その数を増やしていけるか。パワハラ、セクハラに留意しながら、真剣に考えていかなければならない課題となっている。

投稿者:主席研究員 望月毅|投稿日:2016年12月16日|

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