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  • 研究部副部長 望月毅
  • No.0330

プチ自給自足生活、一歩?前進

 ごみの減量化を兼ねて、段ボールコンポストで園芸に使う堆肥を作っている。おがくずを基材として土と米ぬかを混ぜて段ボール箱に入れ、野菜くずなど生ごみを投入すると、土壌菌の働きで夏場なら生ごみは1~2日で跡形もなくなる。納豆や麹と同じ「好気発酵」によるため、よく攪拌して細菌に酸素をたくさん供給しなければならないが、具合が良いと温度が上がり湯気がもうもうと立ち上って、ある種、ペットを育てる感覚で愛着もわいてくる。
 発酵促進のため米ぬかや使用済みの天ぷら油などを加えれば、たちどころに50~60度まで温度が上昇し、「細菌たちが働いているんだ」と実感できたが、暖かい静岡でも、さすがに冬のベランダでは発酵が鈍り、さっぱり生ごみが分解されなくなってしまった。
 どうやら春までは、生ごみの投入をやめて寝かせておくしかないようだ。

 冬は、ベランダ菜園も暇になる。玉ねぎやニンニクの収穫は5月ころで、今は世話をする必要がなく、春菊、茎ブロッコリーは穫れるが、育ちが遅い。何より、寒くて外に出たくない。段ボールコンポストも休止中だし、春からの栽培プランを頭の中で描くくらいしか楽しみがなくなってしまった。
 プランターを3つ増やして………ミニトマトとキュウリとナスの苗を2本ずつ植えて………まてよ………うまくいってキュウリが穫れすぎたらどうしよう………
暇な時の妄想はとどまることを知らない。頭の中は、山盛りのキュウリでいっぱいになる。毎日モロキュウでは飽きるし、さて、おいしく、たくさん食べるにはどうするべきか…気の早い悩みを解決したのは、コンポストに使った「ぬか」であった。ぬか漬けは、立ち上げに手間がかかり、維持が難しいといわれるが、肥料作りでぬかに触れただけなのに変な自信があり、市販の「ぬか漬けの素」に頼らず生の米ぬかと塩で一から自作しようと思い立ってしまった。

 100円ショップの食パン用プラスチック容器(容量4.2リットル)、お米屋さんの生ぬか1.5kgは90円、粗塩はたくさん入って80円+鷹の爪+昆布片の計300円弱で一式そろえ、ブロッコリーの葉や芽キャベツの葉を「捨て漬け」すること1週間、若い「ぬか床」ができ始めた。ぬか床の塩分が浸透圧で野菜の細胞内部に入ると栄養分や水分が外に出て、それを食べた乳酸菌の出す乳酸が野菜に浸み込み酸味を伴う旨味がでる仕組みで、年期の入ったぬか床ほどおいしい漬物ができるのは、野菜のエキスがたくさん溶け込んでいるからとも聞く。
 ワイン、ヨーグルト、キムチと同じく、基本的には「嫌気発酵」だが、ぬか床には嫌気性の乳酸菌や酪酸菌と、好気性の酵母菌が共存。適度な状態を保つため、夏は1日2回、冬は1回かき混ぜる作業が求められ、これが面倒で続かず、ダメにしてしまうことが多いらしい。しかし、かき混ぜというより、酵母菌が繁殖した表面部分をげんこつで押し込んで、その圧力で下の乳酸菌が住むぬかが表層に来るようにすれば良いので、慣れれば20秒も掛からず、また、冷蔵庫に入れれば数日間はかき混ぜ不要と、実際は作業負担は小さいし手もそれほど汚れない。

 ぬかに漬けるとビタミンB群の含有量が生の野菜に比べて3倍から10倍以上に増加し、また、加熱しないためビタミンAやCが歩留まることから、「ぬか漬けは優れた健康食品」といわれる。さらに、水分が抜けることで、生で食べるより多くの野菜が食べられるため栄養分とともに植物繊維もより多くとれるなど、長所が多い自然食品である。
 ただ、自分はそこまで考えているわけではなく、単純に漬物のおいしさに満足している。ガーデニング、家庭菜園から始まり、肥料作りに広がった趣味。エコでも温暖化防止でも家計節約でもなく、ただおもしろそうだから真似しようと思う「昔の日本人の普通の生活」?このささやかな「自給自足」ごっこに、またひとつ、毎日の「ぬか漬け」という楽しみが加わった。

投稿者:研究部副部長 望月毅|投稿日:2010年01月18日|コメントを読む(2)コメントを書き込む

コメント一覧

ダンボールコンポストでの堆肥化、ごみ減量取り組みに敬意を表します、冬場でも気温氷点下でも微生物が働く環境を作ってあげれば間違いなく箱のなかはすごい温度に上昇します。
今年の最高発酵温度は70℃を超えること3回、ただし前日に
米ぬかを300g位を生ごみと一緒に投入したことが、功を奏しています、一日の生ごみ投入が500g程度より少ない時も米ぬかで不足分を補充、さてうまく微生物が働いてくれれば問題ないのですが、急激に発酵温度が下がった時の裏ワザは
温用PETボトル(キャップの色がオレンジまたはイエロー)の350ミリリットルに熱湯を入れて、「湯たんぽ」を入れてみますと、発酵が促進されます、発酵温度が30℃を越えなければ、再チャレンジとなります。生ごみの堆肥化は「サイエンス」です。

コメント投稿者:信濃川|投稿日時:10/03/09 18:53

貴重な情報ありがとうございます!

コメント投稿者:静岡経済研究所 望月毅|投稿日時:10/03/11 12:12

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