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  • 主任研究員 長村敏孝
  • No.0281

銀メダルより銅メダル?

 先日、藤枝市内で行われたPK(ペナルティキック)の大会に参加した。数日前から、ゴールの左隅(自分から向かって)に蹴ると決めていたのだが、まったく想定していなかったことが起こった。私は、一番手のキッカーだったのだが、ホイッスルが鳴っても相手ゴールキーパーが、向かって左隅に立ったまま、中央に寄ろうとしないのだ。すぐにこれが相手の作戦であることに気がついたが、これでは左には蹴りにくい。とっさに、ゴールキーパーが飛んでも届かないであろう、右隅を狙うことにした。しかし、枠の中に入れようという意識が働きすぎたせいか、コースが甘く、右を蹴ることが読まれていたのだろうか、あっさりと止められてしまった。
 止められたことより、残念だったのが、自分の気持ちの弱さであった。ゴールキーパーが左隅に構えるという、普通ではありえない事態に、明らかに動揺してしまい、また、それをはねのける精神力が足りなかったと思う。
 
 その後、気分転換というわけではないが、美容院に行くことにした。ちょうど北京オリンピックが盛り上がっていた時期だったこともあり、美容師さんとの話題は自ずとメダルの話に終始した。美容師さんいわく、「私は、銀メダルより、銅メダルの方を評価したい」ということであった。なぜなら、銀メダルは、もちろん準決勝を勝ち上がり、決勝まで進むのだから、それはそれで素晴らしいことであるが、銅メダルを取るということは、準決勝で敗れ金メダルの夢がついえた状況から、気持ちを立て直し、3位決定戦で勝利しなければ成し遂げられない。つまり、絶望の淵から再度這い上がって、勝って終わるので、見方によっては、銅メダルの方が評価できる、という訳である。
 つい数時間前に自分の気持ちの弱さから(技術的なものも多分にあるが)、PKを止められた小職にとっては、その論理がよく理解できた。時には、波に乗って一気呵成に攻めていくことも大事だが、逆境の中で、強い精神的を保ちながら、困難を解決していく力も、人間が有していなければならないものだと思う。

 ところで、英語の「manage」(マネージ)を英和辞典で調べると、訳の1つに、「(何々)を何とかやり遂げる」とある。ピンチに置かれた時に、いかに難局を乗り切るか。もちろんこれには、強い精神力だけでなく、経験を積んでいくことも必要であろう。どのような状況においても動じずに、最善の決断・対応ができる、真の「manager」を目指したいものである。

投稿者:主任研究員 長村敏孝|投稿日:2008年09月22日|コメントを書き込む

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