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  • 主任研究員 長村敏孝
  • No.0300

風邪をひいた?上海

 2月6日から9日にかけて、1年ぶりに上海を訪れた。筆者は通算4年ほど上海に滞在経験があり、今回の目的は、旧友と再会することに加えて、もう1つは、世界同時不況の折り、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いであった中国・上海が、どのような雰囲気になっているかを見たかったということがあった。
 今回はプライベートの旅行だったことや、旅程が金曜日の夕方から月曜日の朝だったこともあり、日系企業の対中投資の現況や、中国経済の変調ぶりなどといった部分は把握できなかったが、以前との違いは、それなりに肌で感じ取ることができた。

 上海に着いた日は、筆者の後任(静岡銀行上海駐在員事務所の朝倉次席)と、静岡県上海事務所の石田副所長と食事をともにしたのだが、朝倉氏によると、最近では、以前より来訪者が減っているため、自ら取引先を訪問する機会が増えたという。私が駐在していた頃は、とにかく来訪客が多く、こちらから取引先へ訪問する時間はかなり限られていたと記憶している。ある時は、3夜連続で取引先と会食をする機会があり、しばらく上海蟹は見たくなくなったこともあったくらいである。その当時と比べれば、隔世の感があると言えよう。また、そのレストランを見渡してみると、金曜日の夜にも関わらず、客が3分の2も埋まっていないことに気がついた。そのレストランは、筆者も上海に駐在していた頃、取引先との会食で何度か利用したことがあったのだが、当時は、一週間前でも予約がとりにくかったと記憶している。
 次の日は、ある用事のため、宿泊先のホテルがある虹橋地区から、黄浦江という大きな川を隔てて東側にある、浦東地区までタクシーで移動した。以前の経験から、所要時間は40分を見込んでいたが、渋滞がなく20分弱で到着してしまった。これも以前では考えられないことである。また、ある用事というのは、昨年完成した超高層ビル、上海環球金融中心(上海ワールドフィナンシヤルセンター)を最上階まで上るというものであったが、世界第2位の高さ(492m)を誇るそのビルも、見学客が少なく、心なしか寂しそうに映った。

 しかし、街中を往来する人々の顔を見ると、決して下を向いておらず、比較的明るい表情をしているのを見てホッとした。彼らは依然として、「今日より明るい明日」を信じているのだろう。
 中国を始めとする新興国と呼ばれる国々も、現在こそ世界同時不況の影響を少なからず受けていることは否定できないが、長期的にみれば、今後も高所得者層の増加や、潜在的な内需拡大などによる経済成長が期待されている。中国については、今は、米国や日本がひいた風邪が、ほんの少し感染したにすぎず、これからも、中国がボーダーラインとして設定する、GDP成長率8%を割り込むような大病を患うことはないものと信じたい。そして、次回、上海を訪れるときは、以前のような元気な姿を再び見たいと思う。

投稿者:主任研究員 長村敏孝|投稿日:2009年02月20日|コメントを書き込む

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